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森山未來、阪本監督の現場で初体験「映画でも“座長”がいると知って新鮮だった」

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森山未來、阪本監督の現場で初体験「映画でも“座長”がいると知って新鮮だった」

かつて旧日本軍によって隠匿された財宝“M資金”を巡り、世界各国の人々の思惑が錯綜する壮大なドラマ『人類資金』(公開中)。主演の佐藤浩市、香取慎吾、観月ありさ、仲代達矢、ハリウッドからヴィンセント・ギャロといった錚々たる顔ぶれの共演も話題の本作を手がけた阪本順治監督と、キーパーソンとなる石優樹役を演じた森山未來に話を聞いた。

サギ師の真舟を巻き込む“M”(香取慎吾)。その部下である石という重要な役に対し、阪本監督はなぜ森山未來にオファーをしたのだろうか。「僕も原作の福井晴敏も最後まで悩んでいたんです。日本語だけでなく、英語やロシア語がしゃべれて、その上でアクションもこなしてほしい。そんな難しい役でも言い訳せずに自分を追い込んでできる人で、かつ新人らしさを持っているという部分で、『北のカナリアたち』(12)にも出演してもらった未來が適任だと思いました」。

そんな監督の意図とは別に森山未來にはある思いがあった。森山はこれまでにも何本も映画への出演はあるものの、阪本監督の現場で初めて経験することもあったという。「舞台では現場を取りまとめる“座長”といいますけど、今回初めて映画の現場でも“座長”(本作では佐藤浩市)という存在がいるのだと知ってすごく新鮮でしたね」。

撮影は、日本だけでなく、NY、タイ、ロシアで行われ、日本式の撮影を強要するのではなく、現地のスタッフと綿密にコミュニケーションを取りながら進んで行ったのだが、だからこそヒヤヒヤする場面もあったと阪本監督は語る。「NYの国連の撮影ではエキストラ400人、ボランティアの国連のスタッフ100人を集めて行ったのですが、まず最初に肖像権を放棄する旨の署名を一人一人しなくてはいけないし、さらに衣装を着させてメイクをしたりして、やっと撮影開始だと思ったら、みんな国連の中に入るのは初めてだから、檀に上がって記念撮影してるんですよ。さらにセキュリティチェックがあったりと準備の時間ばかり長くなって、結局、契約の残り時間が2時間半!終了したら、集まってもらった500人に『素晴らしい、でも、早く出て行ってくれ!(笑)』って感じでした」。

そんな過酷な撮影を終え、森山にはいろいろ感じるものも多かったようだ。「本当にタイトなスケジュールで、僕ら出演者は休める時もあるけど、スタッフさんは日本に戻ってから1日だけ休みがあったのかな?というぐらい休みなしだったんです。それでも誰ひとり倒れず、ケガもせず撮影を終えたのもあり、走り切ったという印象が強いですね。ロシアでは、撮影の時だけ雪が降ったりと天候に恵まれました」。

インタビューの後に行われた写真撮影時には、カメラマンの持つカメラに関する“うんちく”を監督が森山に対し語るなど、緊張感漂う劇中とは違い和やかなムードだったが、それはお互いへの信頼があったからこそ。スタッフとキャストが一丸となって完成した『人類資金』の魅力はそんなところにもあるのかもしれない。【取材・文/トライワークス】

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