モーガン・フリーマンは“厳粛な男”役にうんざり!?「『グランド・イリュージョン』の“欲深い男”役は楽しかった」

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モーガン・フリーマンは“厳粛な男”役にうんざり!?「『グランド・イリュージョン』の“欲深い男”役は楽しかった」

『ショーシャンクの空に』(94)、『セブン』(95)、『ミリオンダラー・ベイビー』(04)などの作品で、温かみのある人格者を多く演じてきた名優、モーガン・フリーマン。10月25日(金)に公開されるエンタテインメント大作『グランド・イリュージョン』では、いつもと違った役どころを演じている。この度、モーガン・フリーマン本人が本作の魅力や自身のイメージについて語ってくれた。

今回彼が演じているのは、イリュージョニストたちの不可解な犯罪のトリックを暴こうとする、狡猾な元マジシャン、サディアス。いつものイメージと異なる役を演じたモーガンは「サディアスには非常に欲深いところがある。こういう人物を演じられて実に楽しかった」と振り返る。「私はいつも“厳粛な男”としてキャスティングされてしまうから、そういうパターンから脱することができて新鮮だったよ。いつも似たような役の脚本が“君ならピッタリ”とか“君を想像しながら書いたんだ”云々といって、どしどし送られてくるんでね(笑)」と、意外な苦労も吐露した。

『グランド・イリュージョン』出演の決め手は、お気に入りの役者たちと共演できることだったという。「ジェシー・アイゼンバーグ、ウディ・ハレルソンにメラニー・ロラン。個性的な役者がそろっていたし、それに昔から私はマイケル・ケインとマーク・ラファロのファンでね」と、気軽にライバル俳優たちへもリスペクトを示す。また、御年76歳の大ベテランであるモーガンに、後輩共演者たちから助言を求められなかったかと聞いたところ、「いやいや、そういうことはなかったよ。もちろん彼らは私よりは若いけど、みな経験豊富な俳優たちだから現場にはきちんと準備してきている。私には偉そうにアドバイス出来たりするほどの経験があるわけではないさ」と謙虚に答えた。

さらに、『ダニー・ザ・ドッグ』(04)で組んだ経験のある監督ルイ・レテリエによって持ち込まれた脚本も興味深かったと語る。華麗なマジックにスリリングなアクション、絡み合う人間ドラマなど、様々な要素が盛り込まれている本作だが、「私が思うにストーリーの構成に引き込まれるんじゃないかな。謎解きに謎解きを重ねながら物語が進行していって、最後の最後にやっと最大の謎が明かされるんだ。こんな風にラストまで観客をぐいぐい引っ張っていくのは、容易いことじゃないはずだよ」と監督の手腕にも信頼を寄せているようだ。

劇中、サディアスはマジックを執拗に見破ろうと主人公たちと知恵比べを展開する。演じた役のようにマジックのタネを知りたいかと尋ねると「それは難しい質問だが、そもそもトリックを暴くというのは下品な行為だと思うね。“どうやってやったんだろう?”とタネを解きたがる人もいるけど、一観客としては騙されるのもまた楽しいはずだよ」とモーガンらしい余裕を覗かせた。

大金を盗み出す天才マジシャンたちとFBI捜査官らの攻防戦を描いた本作。いつもとは一味違い、主人公たちと敵対するモーガン・フリーマンを楽しみつつ、大胆不敵なイリュージョンの数々にあなたも劇場で騙されてみてはいかがだろうか。【取材・文/トライワークス】

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