三谷幸喜ブランドを証明した『清須会議』が好発進!
10本を超える秋の新作映画が一斉に封切られた11月8日、9日の週末。その中で興収4.8億円(興行通信社調べ)を叩き出し、見事、首位の座を獲得した三谷幸喜監督の最新作『清須会議』。本作は、興収100億円を突破している宮崎駿監督作『風立ちぬ』とほぼ同等のスクリーン数である430スクリーンで封切られており、実写作品としてはNo.1を狙える好発進を見せた。
役所広司、大泉洋、佐藤浩市を筆頭に錚々たる役者たちが名を連ねている『清須会議』だが、三谷作品といえば、主役級のスターがこぞって出演することでもお馴染み。今や人気スターのキャスティングがヒットを左右するといわれているが、三谷作品は、抜群の“脚本力”と役者陣を惹きつけてやまない“演出力”で、独特のスター映画というべきブランド力を発揮しているといえるだろう。
また、『清須会議』が早くも日本映画実写No.1の呼び声があがっている理由のひとつに、前述した初動のスクリーン数がある。『風立ちぬ』は454スクリーンとやや上回っているものの、日本映画で400スクリーンを超える封切り作は極めて稀。均衡するのは、415スクリーンの『真夏の方程式』(13)ぐらいで、前週11/1に好スタートを切った『劇場版SPEC~結(クローズ)~ 漸(ゼン)ノ篇』の初動も290スクリーン。当然、初週のスクリーン数はヒット(観客動員)が確実に見込める証明のようなもので、この点からも三谷幸喜ブランドの強さが窺える。なお、『清須会議』は、三谷幸喜監督の前作『ステキな金縛り』(11年/興収42.8億円)の初動を上回っており、興収40億円超えが確実視されているのだ。
公開直前に行われた“最後のお願い”イベントでは、「今年No.1になったあかつきにはここで踊ります」と公約を掲げた三谷監督だが、さて結果はいかに?ちなみに、昨年2012年度で40億円を突破した日本映画は、1位の『BRAVE HEARTS 海猿』(73.3億円)、『テルマエ・ロマエ』(59.8億円)、『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』(59.7億円)、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』(53億円)、『おおかみこどもの雨と雪』(42.2億円)のわずか5本のみ。100億円を突破している『風立ちぬ』には届かずとも、実写映画としてどこまで数字を伸ばせるか、今後の勢いに期待だ。【トライワークス】