かぐや姫役の朝倉あき「オーディションでダメだと思い、泣いて帰った」と激白
高畑勲監督が、『ホーホケキョとなりの山田くん』(99)以来14年ぶりに手掛けたアニメーション映画『かぐや姫の物語』。本作で、姫が月へ帰る満月の夜にちなみ、公開直前の満月の夜である11月18日に“女性限定!満月イベント”を六本木ヒルズアリーナで開催。声優を務めた朝倉あき、宮本信子、主題歌「いのちの記憶」を歌った二階堂和美が登壇した。朝倉は、かぐや姫役のオーディションを振り返り、「私のなかではダメだったと思いました」と裏話を口にした。
朝倉は「実は手応えはなく、だいぶ落ち込みまして。泣きながら駅まで帰りました」と告白。でも、見事にかぐや姫役を射止めたことについて「すごく不思議でした。高畑さんに『どのへんが良かったんですか?』とお聞きした時、高畑さんが『悲しみ方が良かった』と言ってくれました」と、笑顔を見せた。
宮本は、かぐや姫の育ての母・媼役で声優に初挑戦した。「プレスコの意味もわからなくて。声だけを先に録るってことで、私は初めてだったのでやりやすかったです」。また、高畑監督の大ファンだったという宮本は「私は『アルプスの少女ハイジ』が本当に好きで。ハイジを演じたかったけど、それは無理で(笑)。スタジオジブリでお話があった時、是非、是非と」と、大喜びしたそうだ。
主題歌を手掛けた二階堂は「高畑監督が、私のことを知ってくださっていたことにまず驚きました。私に任せてくださったことがチャレンジャーだなと。おこがましいですが、任せてください!と思いました」と力強く語った。その後、満月をあしらったステージで、主題歌「いのちの記憶」をはじめ、全5曲を熱唱した。
1988年の『火垂るの墓』『となりのトトロ』同時公開から25年、2013年は、高畑勲・宮崎駿の両監督の作品が同年公開する“ジブリイヤー”となった。『かぐや姫の物語』は、製作費50億円、製作期間8年をかけた意欲作で、いよいよ今週末、11月23日(土)に封切られる。【取材・文/山崎伸子】