岩佐真悠子、ヌードで全力疾走の舞台裏を激白!
「アソコに人面瘡ができた!」姫野カオルコの同名小説を映画化した『受難』(12月7日公開)の設定はかなりシュールだ。主演を務めたのは、グラビアアイドルとして人気を博し、女優としての活躍も目覚ましい岩佐真悠子だ。さすがにオファーをもらった時は躊躇したという彼女だが、出演が決まってからは、フルヌードの全力疾走という珍妙なシーンにも果敢に挑んだ。岩佐にインタビューし、本作の舞台裏について話を聞いた。
彼女が演じたのは、天涯孤独でずっと修道院暮らしをしてきた、けがれなき乙女・フランチェス子。ある日、彼女のアソコに、突然、人面瘡ができ、しかもそいつは彼女に、日々罵倒を浴びせる!心が清らかなフランチェス子は、その人面瘡を“古賀さん”と呼び、奇妙な共同生活(!?)を送っていく。最初に設定を耳にした時、岩佐は「何じゃそれ?」と目を丸くしたそうだ。「脚本を読んだ時、どう映像化するのかというのが、一番の疑問でした。内容が内容だけに出演を即決とはいかなかったです」。
それで、脚本も手掛けた新鋭監督・吉田良子と会って話を聞くことにした。「監督と2、3回会って、疑問点を解消していきました。監督が女性だったことも大きかったと思います。ヌードのシーンもあったし、男性ではわからない女性同士のことも、ざっくばらんに話せました。性がテーマの作品だけど、見る目線は男性とは違い、いやらしい感じにはならないんだなと。原作の姫野先生も女性だし、女性の視点で見ることができたのは良かったと思います」。
劇中では、素っ裸で疾走するというシーンがインパクト大だが、撮影は大変だったと振り返る。「濡れ場のシーンで裸になるのは自然なこと。でも、外を裸で走るのは不自然なことなので、勇気も入りました。しかも撮影では、筋肉が悲鳴を上げるくらいけっこう走ったんです。寒かったし、(並走する)カメラのスピードも速かったので、距離感を保ちながらついていくのに必死でした」。
実際に、現場の雰囲気はどうだったのか?「やっている方は、一体私は何をやっているのだろうと、けっこう複雑な気持ちでした。でも、みんなが、はたから見たら可笑しいことを、すごく真面目にやっていたんです。恥ずかしいワードも毎日飛び交っていましたが、全然平気で。むしろ1日だけ参加する役者さんたちが、恥ずかしがったり、驚いたりしていました。現場はとても明るかったです」。
彼女は本作を、是非女性におすすめしたいと言う。「男性の方が食いつきやすい内容だとは思いますが、悩める女性だったり、あとは奔放な性生活をしている若い子だったり、いろんな女性に見てほしいです。本作は、監督もカメラマンも女性だし、スタッフも女性が多かったから、女性目線で作っているので。お下品な言葉も出てきますが、爽やかというか、さらっと見られる映画になっています」。
むき出しの性を赤裸々に描きつつも、最終的には人と人がどう向き合うかという、愛の営みについて落としこんでいる『受難』。見終わった後には、どこか温かみのある余韻が残る、懐の深い映画となった。【取材・文/山崎伸子】