実際どれだけ便利なの？映画のダウンロードサービスを試してみた

2010年11月にiTunes Storeで映画の購入・レンタルのサービスが開始してから早3年。有料動画配信サービスを頻繁に利用しているユーザーは着実に増加しているようだが、「体験したことがない」「ダウンロード方法がわからない」という人がまだまだ多いのが現状だ。そこで今回、20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパンの協力で特別にダウンロードが体験できたため、「デジタル配信って実際のところどうなの？」という疑問を検証してみた。

●パッケージ発売前の作品を入手

試しにダウンロードしたタイトルは、明日、1月8日(水)よりBlu-ray＆DVDが発売される『ウルヴァリン：SAMURAI』。ヒュー・ジャックマン演じる『X-MEN』シリーズの人気キャラクター、ウルヴァリンが日本を舞台に暴れまわる痛快なアクションだ。実はデジタル配信版はパッケージ版に先駆けて、昨年の12月20日より配信が開始されている。他のメディアよりも早く楽しめる、これこそデジタル配信の強みで、発売やレンタル開始が待ちきれない人にはぴったりなのだ。

ちなみに20世紀フォックスの配信サービス「デジタルHD(DHD)」ではデジタル配信に対応している各社から映画や海外ドラマを入手することが可能で、アップルのiTunes Storeや、Android端末向けのGoogle playのほか、2013年11月よりスタートしたamazonインスタント・ビデオ、さらにTSUTAYA TV、PlayStation Store、Xbox Videoなどのプラットフォームが対応している(タイトルによって異なる)。今回はiTunes Storeで試してみた。

●あまりに簡単すぎて拍子抜け

アプリや音楽は購入したことがあるものの、映像ソフトをダウンロードするのは今回が初めてだった初心者な記者。記事を執筆するにあたって、手順に迷ったり失敗したらどうしよう…と心配をしていたが、まったくの杞憂に終わった。あまりにもあっさりとダウンロードが完了してしまい、逆に戸惑ってしまったほどだ。

手順を記してみると、iTunesを立ち上げ、iTunes Storeを開き、Apple ID(アカウント)を入力してログイン。「iTunes Card/コードを使う」からコード番号を入力(もちろんクレジットカードでの購入も可能)。あとは作品ページのダウンロードボタンを押すだけ。既に利用したことのあるユーザーなら「何を当たり前なことを…」と思うかもしれないが、実際にやってみてここまで簡単だったのか、と改めて驚かされた。

細かい手順などは各プラットフォームによって違うが、手軽さは基本的に同じ。各サービスで案内されている手順を踏めば、すぐにでも試すことができる。なお、高解像度なHD版の視聴にはHDCP(High-bandwidth Digital Content Protection)に対応したコンピュータとディスプレイが必要なので、事前に注意が必要だ。

●デジタル配信はアリかナシか？

正直なところ、映画のダウンロードは面倒くさそう、といったイメージだけで敬遠気味だったが、実際に体験してみればパッケージ版より安価で、ダウンロードは手軽。タブレットやスマートフォンで外に持ち出し、電車に乗りながら映画を楽しむこともできる。しかも、高画質＆高音質。欲を言えばデジタル配信版だけの付加価値があったらもっと嬉しいところだが、それを抜きにしてもこれは“アリ”だといえよう。もちろん、レンタルビデオには店頭で見知らぬ作品に出会う楽しさ、DVDやBlu-rayにはパッケージを収集したり特典を堪能する楽しさがあるが、一度この便利さを知ってしまえばなかなか戻るのは難しい。

ちなみにセルビデオソフトの市場規模は縮小傾向が続き(Blu-rayは拡大気味)、レンタルは4年間で1000億円も市場が縮小している。その一方で伸びを見せているのが有料動画配信サービスだ。スマートフォンの普及を背景に着実に成長しており、5年後には約1.5倍の規模になるとの見通しもある。ダウンロード版だけでなく、レンタル版やHuluなどのVOD(ビデオ・オン・デマンド)サービスも充実してきており、これからは本格的なデジタル配信の時代なのだと、あらためて実感させられた。まだ体験したことがない人は、ぜひ一度試してみて欲しい。【MovieWalker】