福山雅治、初の主演男優賞に感激!ヨコハマ映画祭授賞式速報
第35回ヨコハマ映画祭の授賞式が、2月2日に関内ホールで開催。福山雅治や真木よう子ら豪華ゲスト陣が登壇。『そして父になる』と『真夏の方程式』で主演男優賞を受賞した福山は、ファンから花束攻めにあった後、「映画というもので、賞をもらったのは初めてです」とスピーチ。ヨコハマ映画祭が、スポンサーを持たない、映画ファン主催の祭典ということで、福山は「スタッフの方々の映画に対しての熱い思いが詰まった映画祭で受賞できたことが光栄です」と喜びを語った。
『さよなら渓谷』のかなこ役で主演女優賞を受賞した真木よう子は「一昨年撮影して、(かなこの記憶が)自分の記憶のように残っている役。そんな役はめったにないので、あの作品で賞をいただけて本当にうれしいです」と笑顔を見せた。
作品賞で日本映画ベスト1に輝いたのは白石和彌監督の『凶悪』で、白石監督は、森田芳光メモリアル新人監督賞も受賞。白石監督は、本作が大ヒットし、評価されたことにびっくりしたそうだ。「リリーさんからは『これ、誰が見るの?』と、(ピエール)瀧さんからは『映画って、見て気持ち良くなるもんでしょ。『凶悪』みたいな映画がヒットする世の中もどうかと思うよ』と言われました」と苦笑い。さらに「ここまでとんがった映画は、今の日本映画界では作りづらい状況。でもこれだけヒットするってことは、見たい人もいるのかなと」と感想を述べた。本作は他にも、音楽賞(安川午朗)、助演男優賞(リリー・フランキー)を合わせて4冠を獲得した。
スピーチで笑いを取ったのは、助演女優賞を受賞した二階堂ふみ。「殺したり、殺されたりと、毎回ディープな作品ばかり。でも、この賞をいただけて本当に光栄です。ただ、もうそろそろ白いワンピースが似合うような役をやりたいので、そういう役も候補に入れていただけたらと」と、おちゃめにスピーチした。
助演男優賞のリリー・フランキーは、役作りについて「『そして父になる』では、歯を4本抜いてます。『凶悪』では、義眼にしてます」と大嘘をつき、「ピエール瀧ではなく、私を選んでいただいてありがとうございました。映画賞をピエール瀧と取り合うなんて、かなり映画賞もカオスになっている。次にあいつと仕事をする時は、あいつの靴に画鋲を入れようかな」と、毒舌トークを展開。
御年86歳のベテラン監督・森崎東の『ペコロスの母に会いに行く』は、ベストテン3位となり、史上最高齢で監督賞を受賞。杖をついて現れた森崎監督は「こういう見苦しい形で壇上に上がるとは。でも、病には勝てません」と言いながらも「映画は、一生懸命作ったつもりです」と、力強くアピールした。【取材・文/山崎伸子】
【第35回ヨコハマ映画祭受賞結果】■日本映画ベストテン第1位『凶悪』(白石和彌監督) 第2位『舟を編む』(石井裕也監督) 第3位『ペコロスの母に会いに行く』(森崎東監督) 第4位『そして父になる』(是枝裕和監督) 第5位『横道世之介』(沖田修一監督) 第6位『さよなら渓谷』(大森立嗣監督) 第7位『地獄でなぜ悪い』(園子温監督) 第8位『許されざる者』(李相日監督) 第9位『共喰い』(青山真治監督) 第10位『チチを撮りに』(中野量太監督) 時点『シネマ☆インパクト 恋の渦』(大根仁監督)
■作品賞:『凶悪』(白石和彌監督) ■監督賞:森崎東監督(『ペコロスの母に会いに行く』) ■森田芳光メモリアル新人監督賞:白石和彌監督(『凶悪』) 中野量太(『チチを撮りに』) ■脚本賞:是枝裕和(『そして父になる』) ■撮影賞:浜田毅(『ペコロスの母に会いに行く』) 音楽賞:安川午朗(『凶悪』『フィギュアなあなた』『甘い鞭』『みなさん、さようなら』『草原の椅子』『人類資金』) ■主演男優賞:福山雅治(『そして父になる』『真夏の方程式』) ■主演女優賞:真木よう子(『さよなら渓谷』) ■助演男優賞:リリー・フランキー(『凶悪』『そして父になる』) ■助演女優賞:二階堂ふみ(『地獄でなぜ悪い』『四十九日のレシピ』『脳男』) 渡辺真起子(『チチを撮りに』『だいじょうぶ3組』『おだやかな日常』ほか) ■最優秀新人賞:三吉彩花(『旅立ちの島唄 十五の春』『グッモーエビアン!』) 星野源(『地獄でなぜ悪い』『箱入り息子の恋』) 黒木華(『舟を編む』『草原の椅子』『シャニダールの花』『くじけないで』)