第87回アカデミー賞ノミネート1か月前予測【主演女優賞編】
今年も残すところ1か月を切り、賞レースが本格的にスタートした。15年1月15日のアカデミー賞ノミネート発表を控え、今年もindiewire.com、goldderby.comなど業界関係者の分析結果をもとに、カテゴリー別にノミネート予測をまとめてみた。
今年も例年通り、現時点では主演女優賞の候補者は混戦模様だが、今年は特に、ほかのどのカテゴリーよりも勢力図が激変しているのが特徴だ。
ノミネート予測の滑り出しでは、ハリウッド・フィルム・アワードを受賞した『Still Alice(原題)』のジュリアン・ムーアがフロントランナー。『Wild(原題)』で体当たりのヌードに挑んだオスカー女優のリース・ウィザースプーンとの一騎打ちとの見方も強かったが、現時点ではジュリアンに軍配が上がっている。また、最有力候補としては『ゴーン・ガール』(12月12日公開)のロザムンド・パイク、『博士と彼女のセオリー』(15年3月公開)でホーキング博士の妻を演じたフェリシティ・ジョーンズらのノミネートが確実視されていた。
しかし、オスカーの行方を占うのに最も大事な賞と言われているニューヨーク映画批評家協会賞とボストン映画批評家協会賞で、オスカー女優のマリオン・コティヤールが、『エヴァの告白』(13)と『Two Days, One Night(原題)』の2作品で主演女優賞を受賞したことから、勢力図が一変。オスカーの場合は、最終的には1作品での受賞が基本のため票割れも懸念されるが、新作の『Two Days, One Night』でマリオンの存在感が急浮上している。
また俳優のトミー・リー・ジョーンズがメガホンをとった『The Homesman(原題)』で、オスカー像を2度手にしているヒラリー・スワンクがメキメキと頭角を現し始めたほか、『ビッグ・アイズ』(15年1月23日公開)でオスカー常連女優のエイミー・アダムス、ディズニーのミュージカル映画『イントゥ・ザ・ウッズ』(15年3月14日公開)でエミリー・ブラント、『きっと、星のせいじゃない。』(15年2月20日公開)でシャイリーン・ウッドリーらの名があがっている。
さらに、今までオスカーに無縁だと考えられていたジェニファー・アニストンが、2か月エクササイズをせずに体重を増やしてすっぴんで挑んだ『Cake(原題)』、ジム・ジャームッシュ監督作『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』(13)でヴァンパイアを演じたオスカー女優のティルダ・スウィントンなどの存在も浮上しており、ジュリアン・ムーア以外は、ノミネートを確実視できる女優がいないという、まさに大激戦部門になってきたようだ。
なお第87回アカデミー賞は、ニール・パトリック・ハリスの司会で、15年2月22日にロサンゼルスのドルビー・シアターで開催される。【NY在住/JUNKO】