第87回アカデミー賞ノミネート1か月前予測【助演男優賞編】
15年1月15日のアカデミー賞ノミネート発表を控え、12月に入って賞レースが本格的にスタートした。そこで、今年もindiewire.com、goldderby.comなど業界関係者の分析結果をもとに、カテゴリー別にノミネート予測をまとめてみた。
例年助演男優賞は、ノミネート者のみならず受賞者予測が比較的早い時期に絞られ、それが結果と結びつくことが多いのが特徴だ。その特徴は今年も顕著で、ノミネート予測が始まった当初から、『スパイダーマン』シリーズの新聞社編集長で知られる59歳のJ.K. シモンズが、『Whiplash(原題)』で演じた厳格な音楽教師役で圧倒的な強さを見せつけている。実際にほかのカテゴリーでは受賞者が別れているニューヨーク映画批評家協会賞、ロサンゼルス批評家協会賞、ボストン映画批評家協会賞を総なめにしており、オスカーに王手をかけた。
しかしこれまで発表された賞では、『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(15年春公開)で見せたエドワード・ノートンの演技力も高い評価を得ており、2人の一騎打ちが予想されている。
さらに、『6才のボクが、大人になるまで。』(14)が各賞で注目されるなか、主人公の少年の父親役を演じたイーサン・ホークの演技力も再評価されている。また、当初から『フォックスキャッチャー』(15年2月14日公開)でシュルツ兄弟の兄デイヴを演じたマーク・ラファロの演技も絶賛されており、ほぼすべてのメディアが、この4人のノミネートを確実視しているようだ。
となると、残りの1席を巡って熾烈な争いが繰り広げられることになるわけだが、現時点では『The Judge(原題)』の83歳のベテラン俳優ロバート・デュヴァル、『Inherent Vice(原題)』のジョシュ・ブローリン、『Unbroken(原題)』のMIYAVI、2度オスカー像を手にしている『ビッグ・アイズ』(15年1月23日公開)のクリストフ・ヴァルツ、『Still Alice(原題)』のアレック・ボールドウィン、そして「人間役以外にもノミネートされる権利があるなら」という前提では、『猿の惑星 新世紀(ライジング)』(14)で、人間と同様の知性を得たチンパンジーのボス、シーザーを演じたアンディー・サーキスの名演技も候補にあがっており、甲乙つけがたいのが現状だ。
一方で、現時点では『Selma(原題)』のトム・ウィルキンソンとティム・ロスの票割れが起きているもものの、ウィルキンソンに軍配があがり始めているため、票がまとまればウィルキンソンが残り1席の最有力候補の1人となる可能性もある。
なお第87回アカデミー賞は、ニール・パトリック・ハリスの司会で、15年2月22日にロサンゼルスのドルビー・シアターで開催される。【NY在住/JUNKO】