『アナ雪』効果はどう影響?2014年の映画概況を分析
2015年が明けて早や1か月。興収ランキングは年末から『ベイマックス』が首位の座をキープしているが、いまだ記憶から薄れないのが、同じディズニー・アニメ『アナと雪の女王』(254.8億円※歴代3位)の快進撃だ。ここ数年、“邦高洋低”と言われ続けてきた邦画・洋画のシェア率だが、同作の歴史的ヒットは、2014年どのような変化をもたらしたのか?1月28日に日本映画製作者連盟(映連)が発表した2014年度の全国映画概況を基に、振り返ってみたい。
2014年に公開された作品は、邦画が615本(前年度591本)、洋画が569本(前年度526本)と、ともに前年の本数を上回り、興行収入においても、邦画が約1207億円(前年度・約1176億円)、洋画が約863億円(前年度・約765億円)と同様の結果。トータルでも前年比106.6%増で、『アバター』がヒットした2010年以来4年ぶりにトータル興収が2000億円を突破するなど、『アナと雪の女王』のヒット効果により、全体的には上向きだったと言えるだろう。
とはいえ、こうした公開本数や興収などの結果を見ても分かる通り、邦画と洋画のシェア率は「58.3%」対「41.7%」と邦画優勢は変わらず。シェアの伸び率こそ洋画が上回っているとはいえ、興収10億円以上のタイトル数で見ても、洋画18本に対して、邦画は31本と圧倒的だ。
“アナ雪フィーバー”に注目が集中したものの、邦画勢では1位が『永遠の0』(87.6億円)、2位が『STAND BY ME ドラえもん』(83.8億円)、3位・5位が『るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編』(52.2億円/43.5億円)、4位が『テルマエ・ロマエII』(44.2億円)と、4本の実写作品がランクイン。“宮崎駿イヤー”だった『風立ちぬ』を筆頭に、アニメの好調が目立った2013年に対し、2014年は実写作品が盛り返したと言えそうだ。
ちなみに、この“邦高洋低”の現象は2008年より7年連続で起こっているが、2015年はこの均衡が破られるかもしれない。というのも、洋画の当たり年と言えるほど超ド級のシリーズ最新作が勢揃いしている。ざっとリストアップしただけでも、『アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン』(7月4日公開)、『ターミネーター:新起動 ジェニシス』(7月公開)、『ジュラシック・ワールド』(8月7日公開)、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(夏公開)、『007 SPECTRE(原題)』(11月公開)、『スター・ウォーズ フォースの覚醒』(12月18日)、『ミッション:インポッシブル5(原題)』(2015年公開予定)などなど。果たして8年ぶりに洋画が邦画を上回るのか?その動向に期待したい!【トライワークス】
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