ミーガン・フォックス、決死のアクションがカットに
ハリウッドのセクシーなアイコンとして知られるミーガン・フォックスと、共演のイケメン・コメディ俳優ウィル・アーネット。『トランスフォーマー』シリーズのマイケル・ベイがプロデュースしたアクションアドベンチャー大作『ミュータント・タートルズ』(2月7日公開)で共演した2人が、本作のキャンペーンで来日。ミーガンたちにインタビューし、撮影秘話について聞いた。
本作は、犯罪と暴力がはびこるニューヨークで、悪と戦う4人のカメ、ミュータント・タートルズの活躍を描く。ミーガンは、彼らと交流するTVレポーター、エイプリル役。ウィルは、彼女と行動を共にするカメラマンのヴァーン役に扮した。
ミーガンは、演じたエイプリルについてとても共感を覚えたそうだ。「エイプリルはものすごく知的で、精神力も強いタフな女性だけど、周りの人は、彼女のこれまでのキャリアをあまり評価はしていないわけ。それって、私の実際の女優としてのキャリアの見られ方と重なる部分があったわ」。
ウィルは、アメリカのコメディ番組「アレステッド・ディベロプメント」や、『俺たちフィギュアスケーター』(07)など、コミカルでチャーミングな役が十八番の俳優だが、今回の役柄は、コメディのさじ加減に苦労したそうだ。「ヴァーン役は難しかったよ。だって、みんなが取ってしまった残りカスを拾い集めるような役だったから」と苦笑い。
「メインはタートルズだから、それよりも面白過ぎたらいけないよと、忠告されていたんだ。つまりヴァーンは、ノリのように、みんなの隙間をくっ付けるような役。本作では最初にエイプリルが、観客の気持ちを代弁する。それからタートルズに出会い、みんなが入り込めるようにする。ヴァーンはその後を、まるで窓を覗き込む。言ってみれば、観客の目になるような役だったよ」。
元々、知り合いだった2人だが、本作の撮影を経て、かなり意気投合した様子。ウィルはミーガンについて「ゆっくりと恋に落ちたよ。前から知っていたのだけど、30年くらいかかった恋かな」とおちゃめに言うと、ミーガンは大笑い。ミーガンは「激しい作品で一緒になると、また、互いの印象が変わるのよ。そういう撮影では、人の最高の部分と最低の部分が引き出されるから」と分析した。
ウィルは「撮影では、大混乱になることがあった。僕たちが撮影で何をやっていいのかわからない時は、お互いに協力していかなきゃいけなかったよ」と振り返る。ミーガンはウィルについて「私が発見したのは、彼はいつも冷静で怒らない人だという点ね。もしかして、家に帰ってわーっと全部発散しているんじゃないかしらと思うくらい(笑)。俳優では珍しいわ。普通は、もっと短気な人が多いから」と感心する。
ウィルは「確かに激しい作品で共演すると、いろいろわかるね。まあ、僕は15年間、お酒を飲んでないところが良いのかな?」とうなずくと、ミーガンは「私も飲んでないわよ」と笑顔を見せた。
今回は、ダイナミックなアクションにトライした2人。本格的なアクションは初挑戦だったウィルは「実は、僕たちが25人くらいの敵と闘うシーンがあって、そのシーンがいちばん大変だったんだ。でも、それがカットされちゃって」と苦笑い。「ベッドから落ちたり、エイプリルと2人で敵をやっつけるというシーンで、かなり格好良かったんだけどね。でも、なぜカットされたかというと、格好良すぎたからなんだ。闘いに慣れた2人に見えてしまったようで。本来はそうじゃないはずなのにね。でも、あのシーンは誰かに見せたいよ」。
ミーガンも「技術的にいちばん大変だったのはそのシーンね」と同意。「しかも、妊娠2か月くらいだったから。本当は5分くらいのシーンだったけど、15分くらいの長さに感じたわ。とても複雑な振付も覚えたし、少しでもミスをしたら、顔にパンチをくらったり、ケリをくらったりするという危険なシーンだったのよ」とグチをこぼした。
『ミュータント・タートルズ』は、全米公開で2週連続興行ランキングNo.1、全世界42か国でも初登場No.1を記録したメガヒット作。すでに続編公開(2016年)も決定した。ミーガンは、カメなどのハ虫類が苦手な女子にも是非楽しんでほしいとアピール。「ハ虫類ってことを忘れるくらい、タートルズは人間的な要素をもっていて魅力的だから、見ればものすごく好きになると思うわ。それに4人は古代ギリシャの4つの感情、性格を表わしているの。考えてみれば、昔の文化のメッセンジャーは、ハ虫類だったりするのよ。マヤでも神が蛇だし、エデンの園に来たのも蛇でしょ。メッセンジャーとして、だからハ虫類は嫌いだという人は改めてほしいわ」。
ウィルもタートルズについて「僕もミーガンと同じように、キャラクターにそれぞれ特徴があるから、誰かに感情移入できると思う。リーダーやアウトサイダー、頭が良いヤツ、とてもチャーミングでおかしいヤツなどが、団結して闘っていく。自分を受け入れること、また、人とどんなに違っても良いんだという深いテーマがあると思う」。
ただのセクシーシンボルというパブリックイメージとは異なり、とてもクレバーな印象を受けたミーガン・フォックスと、ウィットに富んでいて、とても寛容な器の大きさを感じたウィル・アーネット。『ミュータント・タートルズ』は、個性が炸裂するタートルズたちはもちろん、2人の活躍からも目が離せない!【取材・文/山崎伸子】