ももクロの4人が語る、部長・百田夏菜子の評価は?

インタビュー

ももクロの4人が語る、部長・百田夏菜子の評価は?

ももいろクローバーZ×劇作家で演出家の平田オリザ原作×『踊る大捜査線』シリーズの本広克行監督。そんな最強タッグで放つ『幕が上がる』が、2月28日(土)より公開される。

本作は高校演劇部を舞台にした青春映画だが、百田夏菜子、玉井詩織、高城れに、有安杏果、佐々木彩夏の5人は、アイドルではなく、いまを生きる女子高生として、笑い、怒り、泣き、成長を遂げていく。映画女優として名乗りを上げたももクロの5人にインタビューし、舞台裏について話を聞いた。

ももクロのメンバーが演じるのは、ごく普通レベルの高校演劇部の部員たち。ところが新任の女性教師(黒木華)の赴任を機に、全国大会を目指して奮闘していく。平田オリザの同名小説の映画化作品で、独特の演劇論もちりばめられている本作。5人は、まるであて書きされたようなキャラクターを活き活きと演じ切った。

それぞれに役柄との共通点について聞いてみると、演劇部の部長・高橋さおり役の百田は「私は部長という部分と、リーダーという部分が役柄的には同じ立ち位置だったし、最初にそれを嫌がっている点も同じだと思いました」と苦笑い。「それで、周りの人にちゃかされて、気づいたらやることになったというところがすごく似ていてびっくりです。あとは、弟がいるところかな」と言うと、佐々木は「それって似てるというよりは、同じじゃん」と突っ込む。百田は笑いながら「はい。家族構成は同じでした」とうなずく。

いつも元気いっぱいの西条美紀役の高城は「落ち着きがないところ」だと言う。百田が「気づいてたんだ!」、佐々木も「自覚してたんだ!」と驚く。高木は「何でもおおげさにしちゃう。劇中でも中西さん(有安杏果)が転校してきたというだけで、『やばいやばい!』と、大声を張り上げながらバタバタ走り回るシーンもあるし、中西さんに質問攻めをするシーンもありました」と言うと、有安は「あそこは、さすがに私も中西という役を最後の最後まで守り切れなかった。お願いだからカットかけてと思いながら、最後は笑っちゃいました」とのこと。

副部長・橋爪裕子役の玉井は「ユッコは少し前の私に似ています。ちょっと気分がころころ変わるところとか、中西さんが転校してきた時、ちょっとヤキモチを焼くところとか、そういう部分は似てるかな」と分析。2年生・加藤明美役の佐々木は「みんなより年下ってところは同じで、2年生のなかでは、同級生たちを引っ張っていくところもそうかなと。私も学校などでわりとリーダーをすることが多いんです」と頼もしい一面を見せた。

有安は、転校生・中西悦子役を演じた。「私は実際に転校したこともあるし、ももクロのなかではいちばん最後に入ってきた新メンバーっていうこともあって、最初はなかなか慣れなかった感じは重なりました。あとは、演劇をやったことはないけど、昔からずっとひとつやっているものがあって、それは絶対にぶれずにやりたいという気持ちは一緒ですね」。

また、百田の部長ぶりを4人に尋ねた。百田が「いいことを言ってね」とリクエストすると、佐々木が「すごく部長らしくて、格好良くて、頼れる」と褒め殺し状態となり、全員で大爆笑。玉井は「普段は生活していて、リーダーっぽいところってないんですが、やっぱりライブの最後の言葉とか、締めるところはリーダーらしい」と評価。「私たちは、全員、『銀河鉄道の夜』を平田オリザさんに指導してもらったんですが、リーダーは、演出しているオリザさんを見ていて。実際、本番に入ったら、オリザさんみたいに、ばんばん止めるんです。だんだん部長っぽくなっていって、なんか悔しかったです」。

佐々木も「私は、オリザさんから肩が揺れると何度も言われて。実際に役としてもそれを言われて。まさにオリザさんに見えました」と指摘。高城は「部長全員を集めて、『このノートには、みんなのことがいろいろと書いてある』というシーンや、玉ちゃんとふたりのシーンなどを見て、思いました。ふだんはボケボケしているのに、なんだかんだ言って、部員全員のことを見て、最後はまとめてくれる点は部長らしいし、ももクロのリーダーとしても被るなあと思いました」と感心する。

有安は「私たちの演劇のシーンを舞台袖からずっと見守っているシーンがあって。私たちは、撮影の時、そこにいなかったので、リーダーの表情は見ていなかったんですが、完成した映画を見た時、ああ、ちゃんと部長やってんじゃん!と思いました」と称える。4人とも「すごいほめたね。これで反論があったら贅沢だぞ」と、百田を見る。

百田は「多分、ふだんは恥ずかしくてこういうこと言えないんですよね。いいことを思っていてくれるのに言えない。でも、みんな私のこと、好きだなあって」と照れ隠し。高城は「インタビューだからしょうがない」、佐々木は「ビジネスだから」、玉井は「見え方、気にしてるから」とちゃかすと、百田は「最低だよ」と笑いながら「さおりという部長に誇りを持ちました」と愛くるしい笑みを浮かべた。

ももクロのそれぞれの個性がちりばめられ、キラキラした青春が映し出された『幕が上がる』。本作は、ただのアイドル映画という枠には収まらない。まさに、女優・ももいろクローバーZが、開花している快作なので、ファンでなくても見逃し厳禁!【取材・文/山崎伸子】

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