『永遠の0』日本アカデミー賞8冠!岡田准一は男泣き
第38回日本アカデミー賞授賞式が、2月27日にグランドプリンスホテル新高輪で開催された。作品賞、主演男優賞、監督賞をはじめ最多8部門を受賞したのは、2014年のメガヒット作『永遠の0』。
主演を務めた岡田准一は、主演男優賞と『蜩ノ記』での助演男優賞をW受賞、山崎貴監督は、『永遠の0』と 『STAND BY ME ドラえもん』の最優秀アニメーション作品賞でW受賞し、それぞれが2つのトロフィーを手にした。
岡田は最初に助演男優賞受賞時に登壇した時、「自分を映画人と認めていただいて、ありがとうございます。ここに立つことを許してくださった方々、応援してくださった方々に感謝しております」と男泣き。
「今日は最高の日。長年いっしょに仕事をしてきた仲間のひとりから『僕がここに立てることを誇りに思う』というメールをいただいて。人に誇ってもらえるということがすごくうれしいです」と感無量の面持ちで語った。囲み会見では、そのメールの送り主が、V6の井ノ原快彦からだと明かした。
主演男優賞の受賞時には、笑顔でスピーチ。「ありがとうございます」と何度も礼を述べた後、「作品にいただいた賞。歴史を伝える、思いを伝えることが大きいテーマだったと思います。ここに僕がいられるのも、人が人を思うことの大切さを教えてくださった高倉健さんのおかげというのもありますし、『感情が動く時に、人は見てくれるんだ』と言っていただいたのは緒形拳さんです。その時、『お前は芝居に向いてる。続けなさい』と言っていただいて、なんとか続けることができました」と、いまは亡き名優陣の名前を挙げた後、共演者やスタッフへの感謝の思いも口にした。
また、『紙の月』で主演女優賞に輝いた宮沢りえは、現在舞台中のために授賞式を欠席。代わりにトロフィーを受け取った吉田大八監督は、宮沢についてこうコメント。「彼女は、この映画が7年ぶりの主演だったそうです。映画の方も、演劇に負けないくらい野心的な企画を、彼女にかかわらず、いろんな俳優にもっていかないといけないなと、いま、彼女のいない席で思いました。彼女がまた7年間空いてしまったら、もったいなすぎるなあと」。
『永遠の0』の山崎監督は、「日本アカデミー賞はエンタテインメントに光を与えてくれる賞だと思います。いつもよりも過酷だったので、認めていただいたことが本当にうれしいです。『ALWAYS 三丁目の夕日』の時は、賞をいらないふりをしていましたが、また、ここに帰ってこれたらどんなに良いだろうと思っていて。そしたらまた帰ってこれました」と喜びを語った。【取材・文/山崎伸子】
【38回日本アカデミー賞最優秀賞受賞リスト】
最優秀作品賞:『永遠の0』
最優秀監督賞:山崎貴『永遠の0』
最優秀主演男優賞:岡田准一『永遠の0』
最優秀主演女優賞:宮沢りえ『紙の月』
最優秀助演男優賞:岡田准一『蜩ノ記』
最優秀助演女優賞:黒木華『小さいおうち』
最優秀脚本賞:土橋章宏『超高速!参勤交代』
最優秀撮影賞:柴崎幸三『永遠の0』
最優秀照明賞:上田なりゆき『永遠の0』
最優秀美術賞:上條安里 『永遠の0』
最優秀録音賞:藤本賢一 『永遠の0』 『ふしぎな岬の物語』
最優秀編集賞:宮島竜治 『永遠の0』
最優秀音楽賞:周防義和『舞妓はレディ』
最優秀外国作品賞:『アナと雪の女王』
最優秀アニメーション作品賞:『STAND BY ME ドラえもん』