まま母がシンデレラを憎むには深いワケがあった!?
ディズニーが総力を結集し、実写化した『シンデレラ』が4月25日(土)に公開される。本作は、自らの手で運命を切り開くヒロイン像を描いており、今までに見たことのないシンデレラの登場に注目が集まっている。
そんな純粋で健気なシンデレラを最も憎む、まま母役にオスカー女優のケイト・ブランシェットがキャスティングされている。美しく魅力的な外見と時折シンデレラに向ける冷ややかな視線、そして嘲笑う姿は、まさにおとぎ話から登場したまま母そのものだ。
ケネス・ブラナー監督は「真に優秀な女優が演じることで、私たちはこのまま母の心の側面、コンプレックスやディテールに富んだ人間性を見ることができます」と語り、今まで“ただの悪役”だったまま母の隠れた本質を表現できる女優としてケイトを抜擢したようだ。
また、「彼女は機知と情感に富んでおり、それを豊かに使った演技を披露しています。同時にこのキャラクターが持つ悲劇を微かに匂わせているのです。こういったバックストーリーをキャラクターに与えたうえで、それをケイトが軽々といとも簡単に演じてみせる。ほかのよく似たおとぎ話映画とは、決定的に違う手法の1つだと言えるでしょう」と語った。
一方でケイトもまま母というキャラクターを演じるにあたり、色々な思いを巡らせたようで「おとぎ話では、大げさに描いてしまいがちだけれど、今回はこのキャラクターの核にある真実を見いだすことで、かなりバランス感覚のある演技ができました。純粋に邪悪な人なんて誰1人いない…誰にでもそうなる動機や誘因があると思うんです」と語る。
また、役作りについては、「何があって人が邪悪になるのかについて探求することに興味を持ちました。この映画のささやかな場面を通じて、この女性は自分の人生をもう一度やり直そうとしていた時に、彼女の新しい夫が娘シンデレラに注ぐ深い愛情に激しく嫉妬してしまったことを、垣間見ることができると思います」と明かした。
ただ、観客が望む作品にするため、「まま母が人に好かれるような感じで演じてはいけないと心がけました。観客から好かれる、好かれないということでなく、彼女を理解することが大切だと感じたんです。主人公はシンデレラなわけだし、重要なのはシンデレラが、善良で優しく、強い女性として描かれることでした」と語り、あくまでもシンデレラの魅力を生かす脇役に徹したようだ。
オスカー女優、ケイト・ブランシェットだから実現可能となった実写版のまま母。シンデレラをより輝かせ、物語をドラマチックにしているキャラクターにも注目してほしい。【Movie Walker】