藤野涼子、佐々木&夏川“両親”からの言葉に感激の涙
ベストセラー作家・宮部みゆきのミステリー巨編を二部作で映画化した『ソロモンの偽証 前篇・事件』の初日舞台挨拶が3月7日に丸の内ピカデリーで開催。
藤野涼子、板垣瑞生、石井杏奈、清水尋也、富田望生、前田航基、望月歩、佐々木蔵之介、夏川結衣、小日向文世、成島出監督が登壇し、演技初経験で主演に挑んだ藤野が、佐々木と夏川からの激励に大粒の涙を流した。
本作は、転落死した同級生の死の謎を巡って、中学生たちが隠された真実を暴こうとする姿を描くサスペンス・ミステリー。生徒役を演じるのは、約1万人の中から、1年強に渡る大規模なオーディションで選ばれた新鋭33人。
主人公・藤野涼子役に抜擢され、劇中の役名でデビューを果たした藤野は、本作に出演したことで「すべてが変わった」とコメント。「演じることも初めてで、涼子と共に自分自身も成長した。人と関わることが苦手だったけれど、人との関わり合いって一番大切なことだなと思い、いろいろな方々と接するようになりました」と大役を演じきったことで、自身にも大きな変化があったという。
藤野の父親役を演じた佐々木は、「全身全霊で芝居をぶつけてくる。毎日毎日心を打たれていた」と生徒役キャストの気迫に感心しきり。「試写で後篇の裁判のところを見て、ああ、こんなにうちの娘が立派になったのかと思った」と父の顔で語った。
また、「『新人ばかりだから支えてあげて』と言われていたが、娘のおかげで僕はお父さんをやらせてもらった。みんなの成長がリンクする、すごい現場を見た」と感動していた。
また母親役を演じた夏川も「涼子が悩んだり、戸惑ったりしているのもそばで見ていた」と藤野の方に顔を向け、「それを自分で乗り越えていく姿を見て、この子なら大丈夫、乗り越えられると思った」と述懐。
「自分の娘がいたらこんな風なのかな。涼子の母になれてよかった」と打ち明けると、藤野は“両親”からの言葉にこらえきれず涙を流した。
最後には、藤野が「何もかも初めてのところから、監督をはじめ夏川さんや蔵之介さん、小日向さんや、仲間33人と共にここまでやってきました。今日は集まってくださってありがとうございました」と涙ながらに感謝の挨拶。会場からは新たな女優の門出に、惜しみない拍手が送られていた。【取材・文/成田おり枝】