藤野涼子「最初の演技力は最下位だった」と監督が激白
宮部みゆきのミステリー小説を『八日目の蟬』(11)の成島出監督が2部作として映画化した『ソロモンの偽証』。前篇『ソロモンの偽証 前篇・事件』(公開中)に続き、『ソロモンの偽証 後篇・裁判』が4月11日(土)より公開となる。
その後篇の先行上映が4月4日・5日に行われ、5日には、1万人の中から主演の座を勝ち取った藤野涼子と、共演の板垣瑞生、成島出監督を招いた舞台挨拶が、新宿ピカデリーで開催された。
『ソロモンの偽証』は、転落死した同級生の死の謎を巡り、中学生たちが隠された真実を暴こうとするサスペンス映画。藤野は「一番最後のシーンでは、表現することの難しさを知りました」と告白。
「300人の傍聴人の前で思いを伝えることは、かなり難しかったです。何度もNGを出し、何でこんなに演技ができないんだろうと思ったけど、監督やスタッフさんのおかげで、自分でも納得のいく演技ができたなあと思っています」と手応を口にした。
板垣は「大出くんとのシーンで、最初から最後まで回しっぱなしだったので、300人いるなかで、ひとかみすると最初からやりなおし。プレッシャーがすごくて辛かったです」
「また、柏木くんとのシーンは朝からずっと役作りをし、一言もしゃべらないシーンとした現場で、良い経験になりました」と撮影を振り返った。
成島監督は、2人について「実は一昨年の11月にオーディションをやり、ワークショップを始めた時、この2人の演技力は最下位でした」と告白。
続けて「ただ、2人の真っ直ぐな眼差しと真っ直ぐな心に賭けてみようと。多くのスタッフから反対されたけど、この2人で成立しないなら映画は止めようと思いました。見事にやりきってくれて感謝しています」と藤野たちをねぎらった。
藤野は、中学生のエキストラたちとも有意義な時間を過ごせたようで「最後は、学校みたいな楽しい現場で終われました。私の最初の第一歩として、良い作品になれたらなと思います」と力強く語った。
成島監督は「原作者の宮部(みゆき)さんは、ものすごく気に入ってくれました」とアピール。『ソロモンの偽証 後篇・裁判』へも大いに期待がかかる舞台挨拶となった。【取材・文/山崎伸子】