松尾スズキと松田龍平が10年ぶりの再タッグを語る|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
松尾スズキと松田龍平が10年ぶりの再タッグを語る

インタビュー

松尾スズキと松田龍平が10年ぶりの再タッグを語る

いがらしみきおの同名コミックを松尾スズキが監督し、松田龍平が主演する『ジヌよさらば~かむろば村へ~』(公開中)。ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2015のオープニングを飾った本作への思いを、夕張を訪れた松尾と松田に聞いた。

本作では、お金恐怖症になった松田演じる元銀行マンが、お金を一切使わない生活を送るため過疎の村に引っ越し、個性的な村人たちとのふれあいを通して変わっていく姿が描かれる。

『恋の門』(04)以来10年ぶりのタッグを組んだ2人。主演を務めたことついて松田は、「松尾さんは変な人なので、嫌われてたのかなと思っていました(笑)。『恋の門』の時はいっぱいいっぱいだったので、また呼んでもらえて素直に嬉しかったです」と言う。

すると松尾監督は「俺が変な人だから嫌われてたってどういうことだよ(笑)」とすかさず突っ込みを入れ、息の合った掛け合いを見せた。

松田について松尾監督は、「お金恐怖症って極端にやればいくらでもコメディになってしまう。それだとあまりに映画っぽくないので、コメディというイメージではない龍平に頼んだんです。彼の独特な雰囲気が映画に深みを与えたんじゃないかな」と演技を絶賛。

それに対し、松田は、「面白いということだけに特化するのは不安だったので、どうやるかは考えました。松尾さんの演出が細かかったので最初は戸惑いましたが、自分なりに演じていきました」

「現場で松尾さんから『ここでデ・ニーロの顔してみて』とリクエストされて、『本当にいいんですか?いや、そもそもできないし』みたいなことはありましたね。結局使われていなかったですけど。松尾さんは“できない”とわかっていて、『こういうふうに言ったら全然別のものが返ってきました』っていうのを期待していたんだと今はわかります」と振り返る。

「そんな演出したっけ?」と、とぼけた松尾監督だが、「10年前に比べて龍平はしゃべるようになった。ディスカッションしながら作れたよね」と松田の成長を語った。

また、印象に残った撮影について聞くと松田は、「西田さん演じるなかぬっさんと温泉に入るシーンで、お湯をあんまり熱くするとのぼせちゃうんで、ぬるくて寒いんですよ。西田さんと俺でちょっとでもあったかいお湯が出ているところを取り合ってました(笑)」と共演者との思い出を語った。

個性豊かな俳優陣に囲まれた痛快エンタテインメント作『ジヌよさらば~かむろば村へ~』。松尾スズキと松田龍平による10年越しの絆を見てほしい。【Movie Walker】

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