有村架純の金髪ギャル姿はなぜかわいいのか?
有村架純主演で実話ベストセラー書籍を映画化する『映画 ビリギャル』(5月1日公開)。有村が、自身のイメージとは真逆ともいえる“金髪ギャル”に扮するとあって、大いに話題となっている。
あまりのギャップに、有村自身も「ギャルは、自分にはない要素ばかり。不安だった」と告白するが、映画を見れば誰もがそのハマっりぷりに驚くはず。
ギャル役とあって、限界ギリギリのミニスカ、派手なメイク、さらには粗野な言葉遣いも放つ彼女。しかし決して、有村が演じたさやかは不潔ではなく、むしろピュアな輝きを放っている。なぜ有村のギャル姿はかわいいのか。インタビューからのその答えが見えてきた。
原作は、学年ビリのギャルが慶應大学に現役合格を目指す実話をつづった「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」。学校からは「人間のクズ」と罵られたギャルのさやかが、塾講師との出会いや家族の絆を力に、大きな目標に挑む物語だ。
原作や台本を読んで有村は、大きな不安を抱えたという。「こうすればギャルっぽいのかなといろいろ考えてみたけれど、どれもあまりピンとこなくて。『○○とかじゃね?』とかそういったセリフを自分で言ってみても、全部が浮いているような気がしたんです。違和感ないように演じるには、どうしたらいいんだろう。自分の言葉にするためにはどうすればいいんだろうと、クランクイン前日まで不安でした」。
そこで助けとなったのが、本作の方言指導として撮影にも連日参加していた、原作のモデルとなったさやかさん本人だ。「今のさやかさんは、全くギャルの面影がないんですよ。柔らかくて、人当たりがよくて。現場にも毎日来てくださって、方言指導というよりは、もう現場スタッフという感じでしたね(笑)。みんなと一緒になって物を運んだり、私の代わりにスタンドイン(代役を務めること)してくれたり。すごく一生懸命になって、作品に力を貸してくださいました」。
そんなさやかさんを見て、「根本がとてもピュアな人」という印象を持ったという有村。さらに台本を読み込む上で、「やろうと思ったことを全力で楽しんでいる人」「自分ではなく、他人のために頑張れる人」だとひしひしと感じたそう。「その根本の部分を忘れないでいれば、演技の表現方法もすっと自然に自分の中に入ってくると思ったんです。自分にないものを無理に出そうとすると、見ている方が苦しいし、全てが台無しになってしまう。私らしいさやかを演じればいいんだって」。
「どんなに色の濃いキャラクターを演じても、根本の部分をちゃんとつかんで、自分らしいものを発信していけばいい」。女優として、大きな気づきがあった。その気づきは、『ストロボ・エッジ』(15)でタッグを組んだ廣木隆一監督がくれたものでもある。
「廣木監督が、『お芝居は引き算だ』とおっしゃっていて。私にとってその一言はすごく大きなものだったんです。それまでは役を作るとなると、どうしても特徴や癖など外側ばかりに目を向けてしまっていた。役の根本にあるものが、見えているようで見えていなかったのかもしれません。『お芝居は引き算だ』と教えていただいてからは、『丸裸で勝負するんだ』というところにたどり着けたような気がします」。
さやかさん本人の印象。廣木監督の言葉から、役柄の根本をつかんでいった。そして有村らしい、有村が演じるからこそのギャルが誕生。さやかを演じたことで、「人の心を動かせるような存在になりたい」と、強い刺激も受けたそうだ。
「新しいことを始めたりするときって、やっぱり勇気がいるし、自分にできるかなと不安になったりするもの。でも、目の前にあることを一生懸命にやっていれば、絶対に周りの人は味方になってくれる。だから私も怖がらずに、やりたいこと、目の前にあることに一生懸命になって、人の心を動かせるような存在になりたいと思いました」。
有村の持つまっすぐさとひたむきさが、誰もが応援したくなる女の子・さやかという役柄に見事にマッチ。内面からもキラキラとした輝きとパワーを放つ。だからこそ、彼女のギャル姿は目が離せないほどにかわいい。笑って泣いて、さわやかな感動をくれる『映画 ビリギャル』。是非とも大きなスクリーンで、そのかわいさを確かめてほしい!【取材・文/成田おり枝】
1993年2月13日生まれ、兵庫県出身。NHK連続テレビ小説「あまちゃん」でブレイクし、『思い出のマーニー』(14)では声優に挑戦。
現在は4月よりスタートしたドラマ「ようこそ、わが家へ」(フジテレビ)に出演中。2016年には映画『アイアムアヒーロー』の公開が控える。
衣装
Free's Mart
03-3723-4551