佐藤浩市と樋口可南子が語る理想の夫婦像とは?
北海道・美瑛町を舞台に、佐藤浩市と樋口可南子が夫婦役初共演を果たした感動作『愛を積むひと』(6月20日公開)の完成報告会見が、5月13日に朝日スクエアで開催。佐藤浩市、樋口可南子、北川景子、野村周平、杉咲花、吉田羊、柄本明、朝原雄三監督が登壇した。
共演2度目で、夫婦役を演じた佐藤と樋口。佐藤は「樋口さんとは世代的にも近いですし、映画に対する意識はおこがましい言い方ですが、近いものがあったのかなと。すっと入ってやれたのがありがたかったです」と語った。
樋口もうなずきながら「浩市さんは、同じ時代を生きてきたなというにおいがしました。この夫婦をこうしたいというのが暗黙のうちに合ったというか。あうんの呼吸ができていました」と柔和な表情を見せた。
続いて、理想の夫婦像についての質問が上がる。佐藤は「演じた小林夫婦が理想の夫婦かというとそうではない。ある距離感をもってる。ただ、伴侶を失った時、その思いがお互いに通じ合えたなかで、生きてきたってことで、夫婦の良い形なのかなと」と言うと、樋口も「理想って本当に難しいけど、長くいっしょにいられるってことは、それだけで良いのかなと思います」とコメント。
北川は「映画を観て、言葉や形じゃない愛が素敵だなと思いました。無償の愛が素敵だなと」と答えると、野村は「ずっといっしょにいられるって素晴らしいこと。僕もそういう人と巡り合いたいですし、ずっと一生愛せる相手といることは幸せだなと」と照れながら語った。杉咲は「まだ、結婚について考えたことがないんですが、別れない、別れたくないです。すいません」と言って笑いを取った。
吉田も「それがわかっていたら、私は独身じゃないと思うんですが(苦笑)。九州女なので男性を立てつつ、実は奥さんが転がしているのが理想かなと」とおちゃめにコメント。柄本は「うちは40年くらいいっしょにいますが、忍耐、辛抱、我慢、諦め、そして絶望といったところを通り抜けていって、(それでも)いっしょにいられれば良いんじゃないか」と貫録たっぷりに語った。
『愛を積むひと』の原作は、エドワード・ムーニー・Jr.のロングセラー小説「石を積むひと」で、舞台をアメリカから日本の美瑛に移して映画化した。妻(樋口可南子)に先立たれた男(佐藤浩市)が、彼女の残した手紙によって再生していく姿をつづる。【取材・文/山崎伸子】