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『サンドラの週末』に学ぶ、ブラックバイトの回避法

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『サンドラの週末』に学ぶ、ブラックバイトの回避法

マリオン・コティヤール主演で労働問題を描いた『サンドラの週末』(5月23日公開)の特別試写会付きシンポジウムが、5月20日に北沢タウンホールで開催。学生の労働相談に応じている、ブラックバイトユニオンの渡辺寛人、NPO法人POSSEの坂倉昇平、労働問題をテーマに政策立案コンテストを企画運営したGEIL2014の中谷和馬、配給会社のビターズ・エンドの藤森朋果が登壇した。

藤森は、先日来日した本作の監督、ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌの言葉を代弁し、「元々、20世紀後半に、フランスの車の工場で起こった事件が発端になっています」と本作を手がけた動機について語った。

また、「今回の映画は、脆弱さへの礼賛の映画であると言われてました。弱いものがいつも虐げられていいのかという疑問を問いかけたと。サンドラは、話をしていくことで連帯を生んでいく。人が変われるというのは、彼がずっと描いてきたテーマでもあります」と本作について説明した。

サンドラをサポートする夫・マニュ役に共感したという渡辺は「だいたい自分が悪いと、自分を攻めるパターンがほとんどです。でも、労働問題は本人が動かないとなかなか解決しない」と現状を訴える。坂倉も「制度とか国がなんとかしてくれると思われがちなんだけど、それはないです」とうなずく。

中谷は映画について「データを基にして策を打つ傾向があるけど、1人1人の生の声を聞いていかないといけないと思った」と感想を述べた。坂倉も「サンドラが、自分のためにと、最初は言っているけど、それだけじゃなくて、最後まで観ていくと、社会の雇用を守り、誰かとつながっていくことになる」と本作の見どころを絡めて、労働問題についての見解を語った。

『サンドラの週末』は、突如解雇を言い渡された主人公サンドラ(マリオン・コティヤール)が、自分の復職のためにボーナスを諦めてくれるよう、週末をかけて同僚たちの説得を試みる物語。コティヤールは、本作で第87回アカデミー賞主演女優賞にノミネートされた。【取材・文/山崎伸子】

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