野田洋次郎の初主演映画に佐藤健の出演が決定
手塚治虫最期の日記をRADWIMPSの野田洋次郎主演でオリジナル映画化した『トイレのピエタ』(6月6日公開)のブレミア上映会が5月21日に丸の内ピカデリーで開催され、野田をはじめ、杉咲花、リリー・フランキー、市川紗椰、松永大司監督が登壇。野田が「人生にとってかけがえのない作品になった」と力を込めた。
本作は、余命3か月を宣告された青年と孤独な女子高生との交流を描く切ない恋愛映画。RADWIMPSの全楽曲の作詞作曲を手がける野田が、映画初出演を果たした。スクリーンを背にして野田は「違和感ですね。力をどこに込めていいのか」といつもと違うステージに戸惑い気味。
「人前で歌ってはいますが、この世界とどう関わっていいのかが、うまくない人間」と自分を分析した野田。監督、脚本との出会いは2年前になるというが、「そんな自分にとって自分と同じ人間がいるんだなと。この脚本が救いになった」と脚本に惚れ込んだという。
本作の主題歌も手がけた野田だが、「この映画の経験が、自分の想像以上にはるかにすごい経験だった」と述懐。ストーリーや現場の一人一人からもらうエネルギーが「あまりにも愛おしいものになった」といい、「それがなくらないうちに曲に落とし込もうと思った。僕は音楽を持っているんだということがすごくうれしかった」と曲に込めた思いを明かしていた。
最後には野田が「映画に出ると決めたときの直感。奇跡のような時間に立ち会えると思ったことが、間違いじゃなかった」と感無量の面持ちでコメント。会場から大きな拍手を浴びた。
またこの日は、本作に野田との親交も深い俳優・佐藤健が出演していることが明かされ、マスコミ陣には佐藤からの「野田さんから、映画に出演するという話を聞いていて、今回少しですが参加できたのがうれしいです。脚本を読ませていただいて、すごく素敵な話だと思いました。野田さんの感性で、そのまま、自然なまま出ていけばきっといい映画になると思いました」との野田への信頼感あふれるコメントが届けられた。【取材・文/成田おり枝】