野田洋次郎は「色っぽい」松永監督が起用理由を明かす
手塚治虫が病床で綴った日記の一節を原案に、RADWIMPSの野田洋次郎を主演に迎えてオリジナル映画化した『トイレのピエタ』(6月6日公開)。日本外国特派員協会記者会見が5月27日に東京・有楽町の同協会にて行われ、野田をはじめ、杉咲花、松永大司監督が出席した。
本作は、余命3か月を宣告された青年と孤独な女子高生との交流を描く切ない恋愛映画。外国人記者を前に、野田は流暢な英語で「演技の仕事は初めて。素晴らしい才能の方々と一緒に仕事をすることができて光栄でした」と挨拶。大きな拍手を浴びた。
ミュージシャンの野田を起用した理由を聞かれた松永監督は「野田洋次郎という人のつくる歌詞、歌の雰囲気。歌っているライブの姿を見たときに、とても艶っぽくて色っぽかった」と述懐。「僕が描きたい、生きる死ぬということに対して共感できる歌を歌っている人だと思った」と野田への強いシンパシーと信頼を明かしていた。
一方の野田には、「今後も俳優活動をするか?」との質問が飛んだ。野田は「役者としてのオファーをいただいたことは、自分にとって大きなハプニングだった」と振り返り、「素晴らしい決断をさせていただき、正しい決断だったと感覚的に感じています」とコメント。
「そういったピンとくる企画が今後あれば、やらせていただくかもしれないけれど、今は具体的なオファーがないのでなんとも言えない。やるかもしれないし、やらないかもしれない」と清々しい笑顔で素直な気持ちを話していた。
また、1年間のオーディションを経てヒロインの真衣役を得た杉咲は、「5回くらいオーディションを受けて。脚本を読んでから、真衣に興味があってずっとやりたかった」と役柄への思いを告白。「(撮影が)終わってからも真衣がずっと自分の中にいて、1か月くらい引きずっていました」と自身にとって大きな経験となった様子。「とにかく二人のことを信用していたし、だからこそできた」と野田と松永監督に感謝の気持ちを表していた。【取材・文/成田おり枝】