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樹木希林、秦基博の前で乙女に「マイクを交換して」

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樹木希林、秦基博の前で乙女に「マイクを交換して」

第68回カンヌ国際映画祭で、「ある視点」部門オープニングフィルムとして上映された河瀬直美監督作『あん』の初日舞台挨拶が5月30日にシネスイッチ銀座で開催。樹木希林、永瀬正敏、浅田美代子、河瀬監督、原作者のドリアン助川、主題歌「水彩の月」を手掛けた秦基博が登壇した。秦は主題歌を生歌で披露し、会場を沸かせた。

『あん』は、どら焼き屋で、粒あん作りを任された老女・徳江(樹木希林)と、雇われ店長の千太郎(永瀬正敏)、常連客ワカナ(内田伽羅)らの交流を通し、根源的な差別問題を描く感動作。徳江役の樹木が「多磨全生園(ハンセン病国立療養所」から来ました」と挨拶すると、千太郎役の永瀬も「徳江さんが隣にいるのでとても幸せです」と微笑んだ。

主題歌を手掛けた秦は「素晴らしい映画に出会えて、曲を作り出せたことをうれしく思います」と感無量の様子。すると樹木が「秦さんのマイクと交換しても良いですか?口をつけていたので」と照れながら切り出し、会場は大爆笑となる。秦は「胸がキュンとしました」と照れ笑いを浮かべた。

秦が「公開初日と、監督のお誕生日のお祝いを込めて歌わせていただきます」と言うと、河瀬監督は大喜び。秦の大ファンだった河瀬は、別の仕事の打ち上げで、秦をくどいたようで「秦くんが芋焼酎で酔っ払っているすきに、『あん』という映画があるんだけど、と言いました」と、してやったりの笑顔を見せた。

秦の熱唱を聴いた後、樹木は「ああ。ねえ。本当にありがとうございます」と言葉を詰まらせる。永瀬も「すごい曲を作られたなと」と感激しきりだった。

最後に、河瀬監督の46歳の誕生日を祝うサプライズのどら焼きケーキが登場し、監督は満面の笑みに。また「映画はフィクションですが、私たちが刻んだ映画のなかの人々や風景は現実に存在してました。フィルムを切ったら血が出るんじゃないかというくらい、演技ではなく心を置いてきてくれました」と役者陣に感謝の言葉を述べた。【取材・文/山崎伸子】

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