『マッドマックス』監督、宮崎駿を「神」とリスペクト

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『マッドマックス』監督、宮崎駿を「神」とリスペクト

来日を果たした鬼才ジョージ・ミラー監督が、6月5日に六本木・ニコファーレで行われた『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(6月20日公開)の記者会見に出席。「日本で行ったところは?」との質問が上がると「ジブリ美術館」とにっこり。「私にとって宮崎駿さんは神」と意外な答えで会場を沸かせた。

砂漠ばかりの荒涼とした世界に生きる元警官のマックスが、支配者との壮絶な戦いに挑む姿を迫力のカーアクションとともに描く本作。アドレナリン全開のパワフルな作品をつくりあげたミラー監督だが、完成作を「ビジュアルミュージック」と表現。「言葉ではなく、映像を通して語られている作品」だという。

日本映画にも影響を受けているというが、そんなミラー監督にとってお気に入りの宮崎作品は『千と千尋の神隠し』とのこと。「一緒忘れない、脳裏に焼く付くようなイメージがあった」と言うが、ジブリ美術館を巡って「素晴らしいアーティストだと思った。ハートを感じるし、正直なもの、叡智を感じた」と改めて宮崎ワールドに惚れ込んだようだ。

シリーズ最新作では、過去3作でメル・ギブソンが演じた主人公マックス役が、トム・ハーディにバトンタッチされた。ミラー監督は「トムがオーディションに来たとき、30年前にメル・ギブソンがドアから入ってきたときと全く同じ雰囲気を感じた。二人とも好感を持てる人であると同時に、ミステリアスで危険性をはらんでいるような、動物的なカリスマ性を持っている」と彼らの共通点について言及。

ロサンゼルスでのプレミアはミラー監督、メル、トムも一緒に最新作を見る機会となったそうで、「メルからは『素晴らしかった』と褒め言葉をもらった」とうれしそうに述懐。今後、続編が作られた際にメルの出演の可能性があるのかも気になるところだが、「続編にメルが出てしまうと、ダニエル・クレイグのジェームズボンド映画に、ショーン・コネリーが出ているようなもの。場違いな感じがしてしまうので、難しいと思う」と明言していた。

三池崇史監督、ジャン・ケン・ジョニー(MAN WITH A MISSION)もオンラインで登壇し、三池監督は「自分の中でベスト1」と本作を絶賛。「映画としてある境地に達している」と大いに刺激を受けた様子だった。【取材・文/成田おり枝】

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