石坂浩二、ヘレン・ミレンとの対面に「エリザベス女王に会ったよう」と大興奮
第28回東京国際映画祭特別招待作品『黄金のアデーレ 名画の帰還』(11月27日公開)のジャパンプレミアが10月24日にTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、来日を果たしたヘレン・ミレンとサイモン・カーティス監督が登壇。知的でエレガントな佇まいで、会場を魅了した。
本作は、“オーストリアのモナリザ”と呼ばれる名画「黄金のアデーレ」の返還を求めてオーストリア政府に訴訟を起こした女性マリア・アルトマンの実話を描くヒューマンドラマ。ヘレンの来日は、『REDリターンズ』(13)以来、映画のプロモーションでは2度目。「オファーはたくさんあるんだけれど、いい映画、いい役のオファーって少ないのよ」とお茶目に語り、会場の心をつかんだヘレン。「私の女優魂が『この役はとってもいい』と伝えてくれたわ」と熱い意気込みで挑んだという。
さらにヘレンは「本作の物語にはとても心を打たれた」と続け、「この映画に入るにあたって、ホロコーストや戦争のことについて学んでいくうちに、思い出を共有する家族を失うことがどれほど残酷なことかと思った。そういうストーリーを語る一人になりたいと思ったの」と本作に惹かれた理由を明かしていた。
イギリスのミラー紙で“最も影響力のある女性ナンバー1”にも選ばれたが、輝き続ける秘訣を聞かれると、ヘレンは「私はとても楽観的なの。そして、本当に長生きしたいと思っているのよ。テクノロジーがどんどん進んで、自分がどこまでいけるのかを見届けたい」と告白。「その好奇心こそが、若々しくいられる秘訣かもしれないわね」と微笑むと、会場からも大きな拍手が上がっていた。
またこの日は、特別ゲストとして俳優の石坂浩二が花束を持って駆けつけた。石坂は「私は40年以上前にエリザベス女王に会って、お話をしたことがある。今もまったくそんな気持ち」と『クィーン』(06)でエレザベス女王を演じたヘレンを前に興奮の面持ちで、「威圧感がすごい!」と率直な感想を吐露。
ドラマ「相棒」シリーズへの出演でも知られる石坂だが、本作のヘレンと共演者ライアン・レイノルズの“相棒”っぷりについて聞かれる一幕も。石坂は「水谷豊くんにぶつかるというか、一緒に演じるというのは若い方にとっては大変なこと。でも比べものになりません!あのランディ役(ライアン・レイノルズ)は素晴らしかったですね。いつの間にか相棒になっていた」と驚きを隠せず、サイモン監督も「二人は最初から意気投合していた。希望していたことが現実的になったよ」と大満足の表情を見せていた。【取材・文/成田おり枝】