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変態っぽい野村萬斎!?GW注目作の現場をレポート

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変態っぽい野村萬斎!?GW注目作の現場をレポート

現場に残された物や場所に残った人間の記憶や感情など“残留思念”を読み取り、ある事件の行方を追うコンビの活躍を描くミステリー『スキャナー 記憶のカケラをよむ男』(16年GW公開)。『ALWAYS 三丁目の夕日』(05)などを手掛けた古沢良太が書き下ろした脚本を、『デスノート』『デスノート the Last name』(ともに06)の金子修介監督が映画化する。

主人公コンビの一人は仙石和彦。元芸人で人間嫌い、そして残留思念を読み取れる特殊能力を持っているこの仙石を演じるのは、現代劇に初挑戦となった狂言師・野村萬斎。仙石の相方となるのは、マイティ丸山。かつて仙石とお笑いコンビを組み、いまは売れないピン芸人の彼を、お笑いコンビ・雨上がり決死隊としても活躍するほか役者としても評価の高い宮迫博之が演じる。

そんな仙石と丸山のコンビに、行方不明になっている女性を探してほしいと依頼する秋山亜美に扮するのは若手注目女優の杉咲花。仙石と丸山、そして亜美が行方不明事件の謎を追い、たどりついた学校で仙石が残留思念を“スキャン”するシーンの撮影現場を訪ねた。

この日は、30度を超える炎天下での撮影。仙石は女子高生に囲まれているなか、残留思念を読み解くため、自転車のサドルに顔を近づけて、優しく触る。なにも知らない人からすれば異様な光景に、相方のマイティ丸山がするどく突っ込み、亜美はそれをじっと見つめている…。

こんな変態っぽい演出を、一発OKで演じ切ったことはもちろん、仙石というキャラクター上、コートを着ての演技となった萬斎の役者魂に感服。セミの鳴き声が現場に響き渡るなか、集中力を切らすことなく見事、仙石になり切っていた。

金子監督は萬斎&宮迫の掛け合いについて、「映画育ちの俳優さんというわけではないけど、みんなはまっている。スター同士が競演するダイナミズムがあります」とベタ褒め。杉咲についても「力いっぱい演じてくれていて、この映画にピッタリ」と賛辞を送った。

この後、クランクアップを迎えた本作。萬斎は「無事完走できて本当に良かったです。暑い季節の中で、厚着をするという過酷な役でした(笑)。初の現代劇で初挑戦のことばかり。猫背になって歩くのも、腹から声を出さずにぼそぼそしゃべるのも、私にとってはハードルが高かったんですが、最後は仙石になれたかなと思っております」と充実感を明かした。

また、「撮影初日に『自分の中で、不安感を持続したいと思っている』と言いましたが、いい意味で持続できたかなと思います。胸を張って生きていない人間は、僕にとっては挑戦でした」とも振り返っている。

一方、萬斎より先にクランクアップを迎えた宮迫は、「お笑い芸人の役ということでナチュラルに、自然体で最後までやれました。撮影の合間も共演者の方々と楽しく過ごせましたし、やりがいのある有意義な現場でした」と話した。

野村萬斎、宮迫博之、杉咲花のほか、関ジャニ∞の安田章大や木村文乃も出演する本作。来年GWの公開がいまから楽しみだ。【取材・文/Movie Walker】

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