『スター・ウォーズ』最新作のJ.J.エイブラムス監督が新ドロイドBB-8を語る
全世界がスタンバっている『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』が、いよいよ12月18日(金)18時30分に公開される。公開初日の夜は、きっとあちこちで『スター・ウォーズ』談義が繰り広げられるに違いない。いまだ内容がベールに包まれている本作について、メガホンをとった最強のヒットメーカー、J.J.エイブラムス監督にインタビュー!
『スター・ウォーズ』のエピソード7にして、新3部作の第1作目となる本作について、J.J.エイブラムス監督は、デイジー・リドリー演じるレイをはじめ、ヒロインを打ち出した作品となると言う。その理由について尋ねると「僕が過去に海外ドラマシリーズ『フェリシティの青春』や『エイリアス』を手掛けた時も、『どうして女性を主人公にしたのか?』と聞かれたよ。若い男性を主演にした作品なら、わざわざ理由なんて聞かないと思うけどね」と苦笑い。
「僕としては、女性をメインに描いたことは正しかったと思う。『スター・ウォーズ』は、かなり女性ファンも多いから。それに、ヒロインがいることで、より女性が入りやすいストーリーになったと思う。レイは強くて野心があり、自分の居場所を求めていく。レイを通して希望がもてる物語になったんじゃないかな」。
新ドロイドBB-8は愛嬌たっぷりで、R2-D2やC-3P0と同様に人気が出そうなキャラクターだ。それは、監督が紙ナプキンに描いたスケッチから作られたと言う。「旧三部作のオリジナルデザインを担当したラルフ・マッカリーは、常にベーシックな形で構成される機能的なキャラクターを作っていた。そこで僕は、彼だったらどんなドロイドにするのだろうと考えてみた。紙ナプキンに、円と半円を組み合わせたものを描き、顔がちょっと動くといろんな表現ができるのではないかと思ったんだ。撮影でCGを使いたくなかったから、実際に機能するものを作りたくてね。そしたら、ニール・スカンランが、僕のスケッチからいまのデザインに仕上げてくれたよ」。
『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』では、旧3部作の最終章『エピソード6/ジェダイの帰還』(83)から約30年後の物語が描かれる。旧3部作のルーク・スカイウォーカー役のマーク・ハミルや、レイア姫役のキャリー・フィッシャーは、本作に出演するために、ダイエットに励んだそうだ。
「実は僕もダイエットしたんだ。それに、気づいてもらえなかったことに傷ついているよ」とジョークを飛ばす監督。「でも、この2人に体重を落としてくれと言ったわけじゃない。すべての出演者に『役柄にふさわしい、最高の自分として参加してほしい』と言っただけだ。デイジーやアダム・ドライバー(カイロ・レン役)、ジョン・ボイエガ(フィン役)は、筋肉質でなければいけなかったから、ワークアウトして、シェイプアップする必要があったと思う。マークやハリソン・フォードも同じだ。見た目がどうだとかという問題よりも、みんなに頑張って最高の自分にもっていってほしいと思っただけさ」。
数多くの大ヒット作を手掛けてきたJ.J.エイブラムス監督だが、彼はいまのハリウッド映画業界をどうとらえているのか?「ハリウッド映画と言っても、いまはほとんど違うところで撮っているものが多く、ハリウッドで作られる映画自体がなくなってきたよね。まあ、僕にも責任があると思っている。これまで大きなフランチャイズのプロジェクトに関わってきたから。でも、僕たちの間でも、ちょっと傾向が変わってきて、やはりオリジナルのものを作らないといけないという話はしてきているよ。だから、僕たちがオリジナルのものを作って、何年か後にみんながそれをリメイクするというような感じになるんじゃないかな」。
すでにハリウッドでのパワーランキングの上位にいるJ.J.エイブラムス監督だが、『スター・ウォーズ』の新章によって、てっぺんを取ることになるのではないか。その真価は、明日問われる!【取材・文/山崎伸子】