安田顕、麻生久美子は「21世紀のグレース・ケリー」|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
安田顕、麻生久美子は「21世紀のグレース・ケリー」

インタビュー

安田顕、麻生久美子は「21世紀のグレース・ケリー」

映画やドラマにスパイスを与える名バイプレーヤーとして、人気演劇ユニットTEAM NACSの舞台俳優として、押しも押されもせぬ人気ぶりの安田顕。待望の主演映画『俳優 亀岡拓次』(1月30日公開)では、主人公なのにトホホな脇役という味わい深い役どころを演じた。そんな安田と、マドンナ役を好演した麻生久美子にインタビュー。安田の軽妙な突っ込み&自虐トークに麻生は終始爆笑していた。

安田は“最強の脇役俳優”亀岡拓次役。本作では、彼の不器用で愛すべき恋と人生が綴られる。麻生は、ロケ先の居酒屋の女将・室田安曇役を演じた。麻生は、撮影中と、舞台挨拶やインタビューなどのキャンペーン期間の安田が、別人のようだと驚く。麻生は「全然違います。はじめましてと、違う人に会ったような印象です(笑)。それだけ役に入られていたということでしょうか?」と聞くと、安田は「そういうことにしておいてください」とおちゃめに頭を下げる。

麻生が「現場でもお話はさせていただいたのですが、舞台挨拶の時のように面白い安田さんは初めて見ました。もう少しぼそぼそと話されていたんです」と言うと、安田は「現金なものでして。この映画が面白いと思ったので、多くの人に観ていただきたいと思ったから、とにかく『観てください!観てください』としゃべるしゃべる。やっぱり面白くしゃべった方が記者の方は書いてくださるから。空回りしようが何しようが、やっていくしかないと」と開き直る。麻生は「アハハ」と大ウケだ。

安田は麻生について「素敵でした。平成の大原麗子さんなんじゃないかなと。あ、でも大原さんは、平成もいらっしゃいましたね。それじゃあ、21世紀のグレース・ケリーじゃないかと」とほめちぎると、麻生は笑いながら「そんな、もったいない。ありがとうございます」と恐縮する。

安田は、「(エルメスのケリーバッグのように)ブランドのバッグとかを出されたらどうですか?そういう品を感じるんです。外見だけじゃなくて、内面の品が、ご本人の気づかれないところで出ていらっしゃるんです。とんでもない役者さんだと思います。よく『映画のスクリーンには、その人の内面が表れる』という話を聞きますが、まさにそうです。隣にいらっしゃるだけですごくドキドキしていました」と、ほめ言葉が全開だ。

麻生は「いやいや。信じがたいです」とはにかむ。安田は「いつもは、仕事が早く終わらないかなと思うんですが、今日はこの時間が終わってほしくないと思います。スクリーンを通しても、実際お会いしてお仕事をさせていただいても、惹きつけられる素敵な役者さんです」と、もはやほめ殺し状態だった。

『俳優 亀岡拓次』のメガホンをとったのは、『ウルトラミラクルラブストーリー』(09)の横浜聡子監督で、麻生は同作に続いて映画は2本目のタッグとなった。安田とのダンスシーンが印象的だが、そのシーンについて「想像していたよりもお洒落だなと思いました。ビジュアルも含めてポップだし、シーンの切り替わりも、テンポ良く進んでいきますよね。脚本の段階ではもう少し渋い感じだと思っていたので、そこが意外でした」とうれしそうに言う。

安田も、手放しで大絶賛する。「撮っている時に思っていた自分の予想の少し上を行っている感じ。1歩も2歩も先を行かれてしまうとついていけないけど、半歩先だったので観ていてすごく心地良かったです。思っていた以上にクオリティーの高いシーンでした。横浜監督には、今後ももっといろんな作品を撮っていただきたいし、この先、日本映画界を代表する方にもなっていただきたいし、なる方だとも思います。だから、今回、呼んでいだたいて本当に光栄でしたし、一生懸命宣伝もさせていただきたい」。

ユーモアと情熱が織り交ざった安田のマシンガントークに圧倒されながらも、終始、笑顔だった麻生久美子。亀岡が安曇を思うほのかな恋の行方は、『俳優 亀岡拓次』を見てからのお楽しみということで。【取材・文/山崎伸子】

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