松山ケンイチが天才棋士・村山聖に!「聖の青春」が映画化
100年に1人と言われる天才・羽生善治と「東の羽生、西の村山」と並び称されながら、29歳にして亡くなった実在の天才棋士・村山聖(さとし)。難病と闘いながら将棋に全人生を賭けた彼の壮絶な生き様を描く、大崎善生のノンフィクション小説「聖の青春」が映画化され、松山ケンイチが主演を務めることが明らかになった。
幼少期より腎臓の難病・腎ネフローゼを患い、入退院を繰り返した村山聖。入院中のある日、父が何気なく勧めた将棋に心を奪われてから彼は、将棋の最高峰・名人位を獲る夢を抱いて、将棋の道をまっしぐらに突き進み始める。そんな、自らの命を削りながら将棋を指し続け、“怪童”と呼ばれた主人公・村山聖を演じる松山ケンイチは、役作りのために増量。自ら東京将棋会館に通いつめ、聖にゆかりのある地や人々のもとを訪れ、精神面、肉体面の両方から村山聖にアプローチしている。
松山は出演オファーを受けたときの思いについて、「全身全霊をかけても足りない役だと思いました。そういう仕事は大好きです」とコメント。原作を読んで、村山聖に対し「命を燃やしている方。その激しさに魅せられました」と感じたという。「ヒロインが羽生善治さんという硬派な作品です。将棋が好きな方はもちろん、人生をつまらなく感じている方も、何かに夢中になっている方でも、こんな人間がいたんだと魅かれる作品です。“村山聖”は必ず見る人の心に何かを残します。宜しくお願い致します」と意気込みを語っている。
そんな松山に対し、原作者の大崎善生は、「はじめて松山ケンイチさんとお会いしたとき(撮影が始まったころ)、村山聖さんに似ているのに驚いた。体重を増やして役に備えたという。右手の爪は村山を真似て長く伸びていた。森さん(森信雄)がいたら『村山君、こんなに長い間どこにいっとったんや』と手をさすったかもしれない。私も酔っぱらっていれば昔のように頬っぺたを軽くつまんでいただろう。意志の強そうな瞳。内面からにじみ出てくるような自然なユーモラス。そして人へ対する好奇心、優しさ。17年ぶりに村山くんがいた」と、絶賛している。
メガホンをとるのは『宇宙兄弟』(12)でヒットを飛ばした森義隆監督。「村山聖の生き様は『人生とは、何なのか』という普遍的な問いをわたしたちに突きつけてきます。30才の松山ケンイチが、映画のなかで、29年という村山聖の短い人生を全力で生き抜いた先に、その答えの一端があるのだと信じて、日々、撮影に挑んでいます」とコメント。長い期間をかけてようやく映画化にこぎつけたという滝田和人プロデューサーも「もう会うことの叶わない生きた村山聖がスクリーンに出現することを、私は確信しています。どうぞご期待ください」と自信をのぞかせている。
1月9日にクランクインした本作は、都内近郊や大阪などで撮影を行い、2月中旬のクランクアップを予定。2016年秋の全国公開が決定している。【Movie Walker】