『デッドプール』効果で再注目!『X-MEN』シリーズの基礎まとめ
R指定の超無責任ヒーローでありながら、世界中で規格外のヒットを収めている『デッドプール』が、いよいよ6月1日(水)より日本公開!一見、スパイダーマン似のビジュアルではあるが、その実、どんなアメコミヒーローとも似ても似つかない、唯一無二の個性派キャラ、通称“デップー”に熱い視線が注がれている。
そもそもこの『デッドプール』は、マーベルコミックで最も人気のある作品のひとつ“X-MEN”を映像化した映画『X-MEN』シリーズのスピンオフ的な立ち位置にある。近年、アメコミ映画のクロスオーバー化が顕著だが、本作もまたその流れのひとつというわけ。では、『X-MEN』シリーズの魅力とは一体どんなところにあるのだろうか?
超人的能力を持ったミュータントたちのヒーローチーム“X-MEN”
映画『X-MEN』シリーズとは、突然変異により超人的な能力を持ったミュータントと、その超人的能力で人類を支配しようとするミュータント・テロリストの争い、さらにミュータントを駆逐しようとする人間との戦いを描く、“X-MEN”の実写化プロジェクト。
『X-MEN』(00)からスタートし、これまでに『X-MEN2』(03)、『X-MEN:ファイナル ディシジョン』(06)までの旧三部作、“『X-MEN』トリロジー”と呼ばれる『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』(11)、『X-MEN:フューチャー&パスト』(14)、さらにスピンオフ的シリーズ『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』(09)、『ウルヴァリン:SAMURAI』(13)と、7作品が公開されてきた。
孤高のミュータント・ウルヴァリンと“X-MEN”の創始者・プロフェッサーXの出会い、宿敵・マグニートーとの戦いを主軸に展開されてきたが、描かれる時代は過去や未来などさまざま。複数の時代が描かれることによって、思わぬところでキャラクター同士が邂逅したり、後の伏線が描かれていたりと、作品ごとのクロスオーバーをより活性化させる。
特徴は作品に込められた社会的メッセージとキャラクターたちの成長
自分の意志に反して人間とは違う能力や容姿を“持ってしまった”ミュータントたちの葛藤が『X-MEN』シリーズの大きな特徴だ。
人間は、社会的マイノリティであるミュータントを畏怖の対象とみなし、差別・迫害する。あるいは、ミュータントの絶大な力をいいように利用し、私腹を肥やそうとするのだ。また、X-MENはヒーローチームでありながら、生まれながらに超人的能力を持つ者たちを保護し、能力を正しくコントロールできるように導く、いわば学校のような側面がある。
一見、絵空事のようなマンガ的な世界観の中に、そうした現代社会に置き換えることができる、身近な問題意識が散りばめられているのも、『X-MEN』シリーズの奥深さといえるだろう。
『デッドプール』とのクロスオーバーは…?公開待機作品に注目!
今年の夏には『X-MEN:アポカリプス』(8月11日公開)が待機。シリーズ最強の敵・アポカリプスとX-MENたちとの戦いを描く本作は、ジェームズ・マカヴォイが主演を務めた“『X-MEN』トリロジー”の集大成となる作品だ。
またこれ以外にも、『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』に登場したミュータント・ガンビットの単独作品『ガンビット(原題)』や、タイトル未定のウルヴァリンのスピンオフシリーズの第3弾、『X-Force(原題)』や『ザ・ニュー・ミュータンツ (原題)』など企画段階の作品も含めると、まだまだ新しい展開が用意されている。これらの作品にデッドプールがどう絡んでいくのか…と、ファンは早くも期待しているようだ。
おなじマーベルのヒーローチーム“アベンジャーズ”を軸にした「マーベル・シネマティック・ユニバース」、バットマンやスーパーマンらDCコミックのヒーローたちが活躍する「プロジェクトDCコミックス」など、アメコミの映画化プロジェクトは盛んだが、『デッドプール』を見た方は、ぜひその後の『X-MEN』シリーズにも注目してみてほしい。【トライワークス】