森川葵、丸刈りもアニメ声優初挑戦も「やっちゃえ!」
シュールなギャグをちりばめたフラッシュアニメ「鷹の爪」10周年記念作品『鷹の爪8 ~吉田くんのX(バッテン)ファイル~』(8月20日より一部劇場で先行公開、8月27日より全国公開)でアニメの声優に初挑戦した森川葵にインタビュー。「自分の声に自信がなかった」という森川だが、元々アニメ好きだったこともあり、「やっと自分の好きなものに関われたという感じがします」と喜びの笑顔を見せた。
森川は好きなアニメ作品に、雨隠ギドによる人気コミックのアニメ作品「甘々と稲妻」や、長月達平によるライトノベルのアニメ作品「Re:ゼロから始める異世界生活」を挙げる。「一般的に知られているものよりも、マニアックな作品の方が好きです。『鷹の爪』シリーズももちろん知っていましたが、私がヒロインをやってもいいのかな?と思って、すごく緊張しました」。
「鷹の爪」シリーズは、秘密結社・鷹の爪団によるゆるい世界征服を目指すコメディで、今回は鷹の爪団の吉田くんが、島根県で暮らす小学生時代のエピソードがつづられる。森川は、当時のクラスメイト・里美役だ。
FROGMAN監督からは「しっかりとした元気な女の子で、年の割には大人っぽい子」というリクエストを受けた。「自分はいま21歳なので、里美よりは年上だけど、自分らしさを残しつつ、小学生のような元気さを出そうと頑張りました」。
声の収録は、監督、脚本、何人もの声の出演をこなすFROGMAN監督と共に行ったと言う。「すごく狭い部屋だったので、距離が近かったです。監督が別のキャラクターたちの声もやってくれて、私は里美として返すというやり方でした。自分1人ではなく、掛け合いだったからありがたかったです」。
10年も愛され続けてきた「鷹の爪」シリーズの魅力について、森川はこう語る。「全編通して、細かいところまでちょこちょこ笑えます。そのゆるくてシュールな笑いのなかに、感動する要素まで入ってくるというところがたまらないです」。
森川といえば、主演映画『チョコリエッタ』(15)では役作りで髪を刈り上げ、坊主頭にして映画ファンたちを驚かせた。「よく『度胸がある』と言ってもらえるんですが、“度胸”というのとは少し違うんです。どちらかというとやっちゃえ!みたいな感じで、振り切っちゃうんです。中途半端にやるくらいなら、やり切った方が面白いから」。
そう言いながらも、毎回壁にぶち当たっていると言う。「でも、自分のなかに辛い思いを残しておきたくないから、どんどん忘れてしまいます。だから、そういう記憶は全然なくて、良い思い出しか残ってないです」。
モデル、女優として、ドラマや映画、CMなどで活躍している森川。女優業については事務所に入り、オーディションを受けていくうちに、面白いと思えるようになっていったそうだ。「いろんな作品に出させていただくなかで、自分は演じることが好きなんだなとだんだん自覚してきました。最近は、女優をもっとやりたいと思いながらやっているので、もっと積極的にならないとダメだとも思っています。同世代の人が出ている作品を観ても、どうしてこの子にできるのに、自分にはできないんだろうと思うことが多々ありますし。毎回、自分に何かが足りないと感じることが、自分のモチベーションにもなっています。また、やっぱりほめられるとうれしいので、もっとほめてもらえるように頑張ろうと思います」。【取材・文/山崎伸子】