渡辺謙も思わず涙!トロント映画祭『怒り』プレミア上映に絶賛の声
吉田修一の原作を李相日が監督し、映画化した『悪人』(10)以来、再びタッグが実現した『怒り』(9月17日公開)。本作が第41回トロント国際映画祭スペシャル・プレゼンテーション部門に出品され、本編で父娘を演じた渡辺謙、宮崎あおい、そして李相日監督が現地時間の9月10日に行われたプレミア上映に出席した。
『怒り』は八王子で起こった夫婦殺人事件をめぐり、3組の男女が信頼や疑惑で揺れ動くなか、真実が明らかになっていくという物語。行き場のない感情に葛藤する人たちの群像劇は、李相日作品の真骨頂として現代社会に深く切り込んだ作品となっている。
1913年に建てられた歴史ある映画館「エルギンシアター」で行われたプレミア上映には1400人もの観客が集まった。上映後は約10分にわたって拍手喝采が巻き起こり、渡辺が涙を浮かべる場面も。
上映後舞台挨拶を終えた渡辺は「ただ泣けるとかではなく、本当に心の芯をつかまれる、そんな作品だと思います。最後には心から温かい拍手を受け取りました」とコメント。宮崎は「上映中に笑い声が聞こえたのは、海外ならではと思いましたし、今回私は本作を見るのが2回目だったのですが、やっぱり前回とは違うところで感情を動かされました」と観るたびに違った印象を与えるような作品であることを明かした。
李監督は「観客と一緒に観るっていうのは、僕にとっては試練です。物語が進むにつれて、僕はどうしても観客の後頭部をずっと見てしまうんですが、映画が進むにつれて笑ったり、ゆるく観ていたのが、どんどん皆スクリーンに向いていくのを感じました。何かしらの力がスクリーンから観客に放たれていたのかなと思います」と上映中の反応を監督ならではの視点で語っている。
実際に本作を観た人からは、「映画の中の景色がとても美しかった」「全編にわたって、感情のジェットコースターに乗ったみたいだった」「とても強烈な映画でした。情熱的な映画をありがとう」「想像を超えた。役者もカメラワークも完璧!」「感動的で心を打たれた」など絶賛のコメントが多く寄せられている。
トロント国際映画祭でも称賛を浴びた、観る人の心に訴えかける重厚なドラマが展開される『怒り』はいよいよ今週末9月17日(土)に公開が迫っている。【Movie Walker】