渡辺謙が『怒り』監督を大絶賛!「李相日は日本映画界の宝」
吉田修一の小説を実写映画化したヒューマンミステリー『怒り』(9月17日公開)のジャパンプレミアが、9月14日に東京国際フォーラムで開催。『悪人』(10)に引き続きメガホンをとった李相日監督と、渡辺謙、森山未來、松山ケンイチ、綾野剛、広瀬すず、宮崎あおい、妻夫木聡のキャスト陣7名が登壇し、舞台挨拶を行った。
本作は、9月10日(現地時間)に第41回トロント国際映画祭スペシャル・プレゼンテーション部門にて公式上映がされたばかり。当日会場に出席した李監督、渡辺、宮崎は、客席で本編を鑑賞した際の感想を述べた。
「物語が進むにつれて次第にお客さんの呼吸が浅くなってきて、会場が一つになる感覚を味わいました」と渡辺が振り返ると、李監督も深く頷き「僕は後ろから見ていたので目の前は観客の後頭部ばかり(笑)。最初は笑いも起こったりしてその頭が動いていたんですけど、だんだんと皆さんの頭が真っすぐになっていったんですよ!」と、現地の観客の反応を力説。
宮崎は「翌日、カナダ在住の友人と街を歩いていた時に、向こうの方に声をかけていただいたんです。この作品への期待を肌で感じました」と、現地の映画ファンとの交流を嬉しそうに語った。
一方、その他のキャスト陣も作品への並々ならぬ思いを披露。森山は「人の頭を覗いているような、まるでファンタジーな映画」、広瀬は「人間の生々しい部分が映し出されている」、妻夫木は「見終わったあとに立てなかった。ぜひ大切な人と一緒に見るべき作品」と本作を鑑賞したときの思いを口にした。
綾野も「こんな温かい涙を流したのは久しぶり、感情が抑えきれなかった」と、撮影中の感情の昂ぶりを告白。松山は「できればこの映画を1億人の方に見て欲しい。皆さん2000人ずつに宣伝してください!」と客席にアピールし、笑いを誘った。
最後に渡辺が「李相日は日本映画界の宝だと思っている」と李監督を大絶賛。「血みどろになってこの作品を生み出しました。見ていただけたらそれが確実に伝わると思います」と締めくくり、イベントは幕を下ろした。【取材・文/トライワークス】