800万円の巨木も登場!『火天の城』の超豪華セット
築城総製作費は現在の金額に換算して1000億円以上、大工・職人ら100万人以上を動員、主柱の樹齢は2000年! これは安土城にまつわる驚異的な数字である。この安土城築城に尽力した男たちの物語が『火天(かてん)の城』(9月12日公開)として映画化。撮影では高価なヒノキを使ったオープンセットが用意され、その画(え)がスケールの大きさを物語っている。
原作は、直木賞作家・山本兼一の渾身の歴史小説。織田信長の命により、前代未聞の巨城を築くことになった宮大工・岡部又右衛門役を西田敏行が熱演している。大竹しのぶ、椎名桔平、福田沙紀と共演も豪華な布陣だが、本作で“名脇役”と言えるほどの異彩を放っているのが、立派な巨木の数々だ。
壮大なる築城のドラマにリアリティを与えるため、京都周辺、木曽福島、台湾でのロケに加え、淡路島に2万平方メートルの原寸大の敷地面積を得て、数万本の丸太で足場を組むオープンセットを建築。さらに東映京都撮影所では、安土城の地下蔵作事場や天主内を、1本数百万円のヒノキを使って再現した。
特に、親柱は時価800万円!のヒノキを使用。その柱にノコギリやのみを入れるシーンがあるが、演じる西田敏行たちのこわばっている表情がリアルなのは、本物の巨木との共演の成せる技だったのかも!?
西田敏行らの熱演はもとより、巨木たちの存在感にも圧倒される本作。古の偉大なプロジェクトXはぜひ巨大なスクリーンで見物して。【Movie Walker/山崎伸子】
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