貫禄たっぷり!一生涯を演じ切る岡田准一の役者魂
この十数年、途切れることなく主演作が公開され、スクリーンで活躍し続けているV6・岡田准一。『図書館戦争』シリーズなどで披露した本格アクションや、『エヴェレスト 神々の山嶺』(16)でノースタントで挑んだエベレスト登頂など、映画俳優としての地位を確立してもなお、進化を続けている。そんな岡田が、12月10日(土)公開の『海賊とよばれた男』でも驚きの存在感を発揮している!
本作は、明治・大正・昭和の激動の時代に石油産業の発展に貢献した男の人生を描く大河エンタテインメント。現・出光興産の創業者、出光佐三をモデルとした主人公・国岡鐡造の青年期、壮年期、老年期を、岡田がすべて1人で演じている点に注目してほしい。
これまでNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」などで老年期を演じる経験はあったものの、映画で“ひとり人物の一生涯を演じる”というのは岡田にとって自身初。時系列が入り乱れるストーリー展開で、エネルギッシュな青年期、貫禄たっぷりの60代、風格が漂う隠居した90代を絶妙に演じ分けている。抜群のリーダーシップで仲間を率いる鐡造の“カリスマ性”を、岡田はどの年代のシーンでも見事に体現しているのだ。
そして、この完成度に到達するまでの役作りも圧巻。撮影現場では、60代の鐡造のキャラクターを自身に染み込ませるため、空き時間でも役柄同様、北九州弁を使いスタッフや共演者とコミュニケーションを取り続けていたという。
また、ビジュアルの作り込みも素晴らしい。精巧に施された特殊メイクは60代に約3時間、90代に約6時間もかかる大掛かりなものになったが、メイク中も寝ることなくメイクのしやすい体勢を常にキープし、周囲とも万全の協力体制をとっていたそうだ。
主人公・鐡造の生涯を演じたことで、演技派俳優としてさらなる境地に到達した岡田。本作で魅せた貫禄たっぷりの存在感を、ぜひスクリーンで堪能してほしい。【トライワークス】