ロマンポルノの新旧女優が勢揃い!『団地妻』の白川和子は壮絶な過去を激白
「日活ロマンポルノ」が、行定勲監督、塩田明彦監督、白石和彌監督、園子温監督、中田秀夫監督によって復活。そんな「ロマンポルノ・リブートプロジェクト」の第1弾『ジムノペディに乱れる』 の11月26日(土)の公開直前となる11月20日に、「45周年を迎える同日の昼下りに『団地妻』を観よう!女優陣が勢揃い 〜 ロマンポルノ誕生45周年記念イベント」が新宿武蔵野館で開催された。『団地妻』シリーズに出演した白川和子は、リブート作品について「女優たちがあっぱれでした」と後輩たちをねぎらいつつ、45年前の撮影時の壮絶な過去を振り返った。
登壇したのは、白川、風祭ゆき、芦那すみれ(行定勲監督『ジムノペディに乱れる』)、間宮夕貴(塩田明彦監督『風に濡れた女』12月17日公開)、井端珠里(白石和彌監督『牝猫たち』2017年1月14日公開)、冨手麻妙(園子温監督『アンチポルノ』2017年1月28日公開)、飛鳥凛(中田秀夫監督『ホワイトリリー』2017年2月11日公開)の7人の女優陣だ。
白川は「45年前、大変ななかで撮影しました。2、3日前に妹と話した時『私たち家族はどん底だったわよ』と言われまして」と当時を述懐。「辛いことの方が多かったです。妹の婚約が破断になったり、父がお役所を辞めると言い出したりして。でも、映画の灯を消したくないというスタッフのみんなの思いもひしひしと感じて。大島渚監督に『頑張れ』と背中をたたいてもらいました。本当に1滴だったのが、45年経つと大海になるのかなと」。
白川の10年後にデビューした風祭は「私も実は最初、大島渚監督に断りに行ったんです。『できません』と言ったら『何を言ってるの?役者なんて肉体労働だよ。役者なんだから主役をやらないでどうするの』と言われて。あれがあったからこそいまがある。やって良かったなと思います」と力強く語った。
若手の新進女優たちも気合十分に臨んだようだ。芦名は『ジムノペディに乱れる』で長編の映画に初主演した。「ヒロインとして出演するのが初めてで、しかもファーストカットが濡れ場で。濡れ場自体も初めてでした。行定監督は1シーン1カットで撮るので、面くらっちゃって1日目はボロボロで。2日目からはスポーツ選手みたいに言われたことを言われたようにやっていこうと思ってやったら上手く回り始めました」。
『牝猫たち』の主演を務めた井端は「初めて縛られましたが、思いの外、痛くて。縛られたまま待機している時、涙が止まらなくてボロボロになっていたら、白石監督が私を包んでくださって。『これからはあなたたちの時代だから頑張れ』と言われて。そこでやっと自分が主演でたずさわっていることを感じ、誇らしさも感じました」と充実感あふれる表情を見せた。
最後に白川がこう挨拶。「45年前、本当に頑張っておりましたが、まさか45年経っても忘れてくださらないという時代が来るとは。嬉しく思います。素敵な後輩たちができて、これで私はお役目ごめんかなと思います。ありがとうございました!」と笑顔で締めくくった。【取材・文/山崎伸子】