浅野忠信、『沈黙』は米アカデミー賞ノミネートに「選ばれる」と自信!
巨匠マーティン・スコセッシ監督が遠藤周作の小説を映画化した『沈黙-サイレンス-』(1月21日公開)の外国特派員協会記者会見が1月12日に開催され、窪塚洋介、浅野忠信、イッセー尾形が出席。第89回米国アカデミー賞へのノミネートにも期待が高まるなか、浅野が「アカデミー賞には選ばれると思っています」と自信をのぞかせた。
本作の舞台は、幕府による激しいキリシタン弾圧下の長崎。長崎に潜入した若き司祭が目撃する日本人信徒の苦悩を通して、人間にとって本当に大切なものは何かと問う歴史大作だ。
記者から「アカデミー賞の予想」について聞かれると、イッセーから「アカデミー賞のことは浅野さんが詳しい」と無茶振りをされた浅野。会場も笑いに包まれるなか、「アカデミー賞には選ばれると思っています。もう選ばれているんだと思っています」と回答。「もしこれで選ばれないということがあるんだとしたら、神様が審査員に余計なことをしゃべったんだと思う」と映画のタイトルにかけて語り、会場を笑わせていた。
本作でハリウッドデビューを果たしたのが、窪塚だ。窪塚は「心から光栄」と本作の出演を喜び、「この出会いで、鍵が開いたと思っている」とまっすぐな眼差しを見せた。ハリウッド進出第二弾となる『Rita Hayworth with a Hand Grenade(仮訳邦題:リタ・ヘイワースと手榴弾)』への出演も決まっており、「より向こう側にドアを開いていくためには、まだまだいっぱい努力しないといけないこともある。今は、まるで子どものように夢を見ています」とさらなる意欲を明かしていた。
イッセーは「僕が提出する演技をとにかく見てくれる。『こうやりなさい』や『これはやめよう』といった否定的な言葉は一回も聞いたことがない」とスコセッシ監督の演出についてコメント。「そうすると俳優というのは、アイディアや感性が研ぎ澄まされていく。自分の演技だけではなく、相手役の醸し出す雰囲気もキャッチできるようになる」と話す。
浅野も同調し、「現場に行くのが楽しかった。アンドリュー(・ガーフィールド)は、檻から突然に抜け出すなど、台本に書かれている以上のことをやって。僕もそのシチュエーションに自然に入って、追いかけ回した。とても楽しかった」と振り返った。
「時代考証もして、日本に敬意を払って撮影に臨んでくれていた」と監督に感謝した窪塚は、「王様みたい。王様がいてくれるだけで、演技がしやすくなる。自分の姿が2倍、3倍にも見えるような鏡のよう。自分が大きく、素晴らしい役者になったような気分にさせてくれる」と“スコセッシ・マジック”について熱弁していた。
第89回米国アカデミー賞ノミネート作品の発表は1月24日、授賞式は2月26日(いずれも現地時間)に開催される。【取材・文/成田おり枝】