リー・ジョージ・キュノネス
RaymondZoro
グラフィティ・アーティストの青年を中心にして、ニューヨークの黒人音楽シーンを描く。ドキュメンタリー出身でこれが劇映画デビューになるチャーリー・エーハーンが製作・監督し脚本を書いている。撮影はクライヴ・デイヴィッドソンとジョン・フォスター、音楽監督はフレッド・ブラズウェイトとクリス・スタインが担当。出演はリー・ジョージ・キュノネス、フレッド・ブラズウェイト、サンドラ・ピンク・ファーバラ、パティ・アスターなど。日本版字幕は岡枝慎ニ。カラー、ビスタサイズ。1982年作品。
ニューヨークのブロンクス地区。この街には無人になったビルや瓦礫の山が目立ち、失業者も多く、若者たちは不安感を抱いていた。レイモンド(リー・ジョージ・キュノネス)も社会に不満を持つティーンエイジャーの一人だ。ただ、彼が人と違うのははけ口を暴力や喧嘩に求めず、グラフィティ(落書き)にぶつけることだった。今夜も地下鉄の操車場に忍び込み、地下鉄車輛にスプレーでグラフィティを描く。もち論、不法行為だから見つかれば終わり。だから、彼の作業は実に早い。仕上げにZ0R0とサインする。彼のようなアーティストは何十人といるが、彼の絵はデザインの奇抜さと色使いのよさで注目され、最近では彼のタッチを真似た作品が出廻っているほど。しかし彼がZ0ROであることは、恋人のローズ(サンドラ・ピンク・ファーバラ)も知らない。軍隊に行っている彼の兄は、弟を叱り「軍隊に入れ」というが、彼には毛頭そんな気はない。ある日、彼は先輩で今はラップ・ディスコを経営するフェイド(フレッド・ブラズウェイト)に、新聞記者ヴァージニア(パティ・アスター)を紹介される。彼女は何人ものアーティストを表舞台に送り出している名士だ。彼も取材のあと、ヴァージニアに連れられて、マンハッタンの高級アパートのパーティに出席し、仕事の依頼を受ける。こうなると、地下鉄車輛にグラフィティを描いてなどいられない。グラフィティの非社会性にひかれるレイモンドは悩む。フェイドは野外音楽堂で行われるラップ・コンサートの運営をすることになり、会場の壁に何か描くようにレイモンドに依頼する。それを引き受けたレイモンドは、うまく描けず悩む。そんな彼をローズがはげます。彼女はレイモンドがZ0ROであることを知っていたと語り、「ZOR0のタッチに縛られているんじゃない」という。コンサートの当日。ステージにはグランド・マスター・フラッシュを始め、ロドニー・リー、ビジー・ビー、ダブル・トラブル、ファンタスティック5といったラップのスターが続々と登場。そのスターたちを抱きかかえるかのように描かれた大きな人間の手、もちろんレイモンドの作品である。会場は熱狂の渦と化し、興奮したレイモンドは音楽堂の上にあがり、手をたたく。(大映インターナショナルフィルム配給*1時間23分)
RaymondZoro
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