スーザン・サランドン
Sister Helen Prejean
死刑囚とカトリックの修道女の心の交流を綴ったシリアス・ドラマ。実際に何人もの死刑囚に精神アドヴァイザーとして付き添った、シスター・ヘレン・プレイジョーン本人と、彼女の同名著書(邦訳・徳間文庫)に感銘を受けた、「依頼人」の演技派女優スーザン・サランドンがヒロインをつとめ、彼女の伴侶で「ショーシャンクの空に」などの個性派俳優ティム・ロビンスが「ボブ・ロバーツ」についで監督・脚本を手がけ、夫婦共同で映画化。サランドンは通算5度目のノミネートだった本作で、アカデミー主演女優賞をみごと受賞した。対する死刑囚には「カリートの道」のショーン・ペンが扮した。製作はロビンスと、「クロッカーズ」のジョン・キリク、「ナイト・オン・ザ・プラネット」のラッド・シモンズ、エグゼクティヴ・プロデューサーは「ボブ・ロバーツ」「未来は今」のティム・ビーヴァンとエリック・フェルナーのコンビ。撮影は「ショーシャンクの空に」のロジャー・ディーキンス。音楽はロビンスの実弟で、「ボブ・ロバーツ」のデイヴィッド・ロビンスがスコアを担当。主題歌は「フィラデルフィア」でアカデミーとグラミーの両賞を受賞したブルース・スプリングスティーンの書き下ろし、『デッドマン・ウォーキン』。劇中のエディ・ヴェダー&ヌスラット・ファティ・アリ・ハーン(2曲)、ジョニー・キャッシュ(1曲)の挿入曲も印象的。美術は「エド・ウッド」のリチャード・フーヴァー、編集は「リアリティ・バイツ」のリサ・ゼノ・チャージンで、二人は「ボブ・ロバーツ」にも参加。衣裳は「ギルバート・グレイプ」のルネ・アーリック・カルファス。共演は「ミセス・ダウト」のロバート・プロスキー、「クール・ランニング」のレイモンド・J・バリー、「フルメタル・ジャケット」「セブン」のR・リー・アーメイほか。
※結末の記載を含むものもあります。
ルイジアナ州ニュー・オーリンズ。セント・トマスの希望の家で働くシスター・ヘレン(スーザン・サランドン)は死刑囚、マシュー・ポンスレット(ショーン・ペン)から何度か手紙を受け取る。マシューは相棒と二人でカップルを惨殺し、州立刑務所に収監されていた。死刑囚と会うのは初めての経験だったが、ヘレンはマシューの求めに応じ刑務所を訪れ、彼と面会する。傲慢で冷酷そうなマシューは印象こそ悪かったが、共犯者が無期懲役なのに、不利な証拠が重なって彼だけ死刑が確定したという事実に彼女は疑問を持つ。しばらく後、マシューから死刑執行の日が決まったという焦りの電話を受けて、ヘレンは特赦審問会請求のため弁護士ヒルトン・バーバー(ロバート・プロスキー)に協力を依頼。ヒルトンの説得により、彼らはマシューの母親(ロバータ・マックスウェル)を審問会で証言させ、万座の同情を得ようとしたが、努力も空しく嘆願は却下。残る手段は知事への直談判だけとなり、ヘレンは彼の精神アドヴァイザーとなることを承諾。ところが彼女はそこで、居合わせた被害者の遺族から非難を受ける。ショックを受けたヘレンは、殺されたカップルの青年ウォルターの父親デラクロワ氏(レイモンド・J・バリー)、娘ホープ・パーシーの両親(R・リー・アーメイ、シリア・ウェストン)を相次いで訪問。愛する家族を惨殺され、怒りと悲しみをあらわにする彼らを前に、彼女には言葉がない。そんな執行の日が近づく中、ヘレンはマシューの精神アドヴァイザーとして、彼と毎日数時間をすごし、彼の心に少しでも近づこうと努力を続ける。マシューは人種差別発言や犯行否認を相変わらず繰り返し、ヘレンを憤慨させたりしたが、そんな彼も家族には思いやりをみせ、ヘレンには心を開きはじめていた。死刑当日。刑の執行の午前0時まで、知事への嘆願の返事を待ち続ける二人。結局、上訴審は却下。死にゆくマシューに勇気を与えられんことを……と、ヘレンは神にひとり祈る。最後の面会。マシューはヘレンからあずかった聖書に名前と日付を入れ、彼女に渡す。マシューはヘレンに、犯行の事実を告白した。「ウォルターを撃って殺したのは自分だ。レイプは自分もしたが、ホープを刺したのは相棒だ。今は二人の死に責任を感じる。昨夜は二人のために祈った」と。午前0時数分前。マシューは迫りくる死の恐怖のためかすすり泣いた。そしてついにその時が。ヘレンは護送されるマシューの肩に手をかけ、最後まで付き添う。処刑台に縛られたマシューの最後の言葉は、処刑に立ちあった被害者の遺族への謝罪だった。マシューの葬儀。彼はヘレンらの教会の墓地に葬られた。
Sister Helen Prejean
Matthew Poncelet
Hilton Barber
Earl Delacroix
Clyde Percy
Mary Beth Percy
Helen’s Mother
Lucille Poncelet
Sister Colleen
Walter Delacroix
Hope Percy
Emily Percy
Craig Poncelet
Sonny Poncelet
Troy Poncelet
字幕
監督、製作、脚本
製作
製作
製作総指揮
製作総指揮
原作
撮影
音楽
美術
編集
衣装デザイン
[c]キネマ旬報社
これまで観た、裁判や法律の映画の中でも、
特にこの作品は、繊細に新しい視点からの疑問を問うている。
「伝えたい」という、とても強い意志を持った作品だと感じた。
加害者側と被害者側、そして第3者の思いに触れて、
私達をそのどれにでも当てはめることで、自分なりの考えを持ちたいと思ったし、持つべきなのだと思う。
何十年も、不自由なく育っていると、想像力にも限界がある。
命は重いと、大切にしろと言葉で教わるよりも、
ショーンペンの最後の姿を見るだけで、何倍もの影響力があるのではないだろうか。
人が人を殺すということ。
それが、民間人であれ、軍人であれ、国・政府であれ、
変わりはしない。。
心して観て下さい。
死刑囚の心の変化、修道女の関わり、遺族の心情など、どれも感情を揺さぶられ観ていて苦しくなってしまいました。
頭で考えること、心で感じることがたくさんあり、しかもどれもすっきり割り切れないから、心に重苦しさが残る作品です。
もう一度観たい・・・でも、涙、涙で映像をしっかり観ていられないかもしれません。私にとっては、観たいけれど心が重くなるのを知ってしまったので、観るのが怖い作品です。
心がとても元気な時に再チャレンジします。