松田龍平
永吉
『南極料理人』の沖田修一のオリジナル脚本による、とある一家の騒動を描くホームドラマ。結婚報告がてら故郷へと戻ってきた主人公・永吉を松田龍平、その恋人を前田敦子が演じる。また、両親役に柄本明、もたいまさこ、弟役の千葉雄大など、豪華キャストが、ほのぼのとした笑いで場を盛り上げる。
※結末の記載を含むものもあります。
売れないデスメタルバンドでボーカルをしている永吉は、恋人の由佳の妊娠が発覚し、結婚報告をするために、両親が暮らす故郷の戸鼻島へ7年ぶりに帰郷する。いつのまにか弟も帰郷していて、ひさびさの一家団らんと思っていたが、父親のがんが発覚するなど、騒動が巻き起こる。
監督
製作
製作
製作
製作
製作
製作
企画
企画
プロデューサー
プロデューサー
プロデューサー
プロデューサー
撮影
DIT/VE
照明
録音
美術
編集
音楽
衣装
ヘアメイク
スクリプター
音楽プロデューサー
音楽プロデューサー
助監督
制作担当
主題歌
[c]2016「モヒカン故郷に帰る」製作委員会 [c]キネマ旬報社
タイトルからして木下恵介の「カルメン故郷に帰る」だなと思ったけど、
内容は監督の完全オリジナルらしい。いつもの感じでだらっと笑わせ、
微笑ましい感動を与えたりする沖田監督らしい仕上がり。特に大事が
起こるというでもなく(父親が末期ガンと判明するが)コメディぶりは
変わらない。のほほんとした風情にナンでYAZAWA?と思うほど
違和感が漂う父親の極趣味。息子にも永吉と名付け東京に出したこと
から自身の夢を息子に見ていたんだろうなと(デスメタルだけどね^^;)
頑固オヤジならではのこだわりの数々。演じる柄本が上手すぎるので
終始彼の場面では笑いっぱなしなんだけど、正直YAZAWA好きに
は見えないのでシャウトしている場面ではやや痛々しくも感じられた。
松田も相変らず飄々と役をこなしていて恋人役前田も地でやってる風。
母も弟もまったく自然体でムリがなくオール広島ロケが楽しめる作品。
エンドロールの楽曲は必聴。最後まで堪能しましょう。
(モヒカンヘアって髪を下ろすと普通なのよ。龍平もけっこう可愛い)
故郷の父のがんの発覚が結婚、妊娠報告に久しぶりに帰った長男にふりかかる。お互いなんとなく照れくさく、不器用で一向に距離が縮まらない親子の様が実に淡々と描かれている点も良いのだが、大きな事件は、何も起こらないし、ドラマチックな喧嘩も、ない所も良かった。芸達者の柄本明さん、松田龍平親子がこのテーマでありながら、自然に観客を笑わせ和ませ、時にじ~んとさせながら、ラストまで駆け抜ける展開も、凄い。こんな家族関係の描き方があったのかと驚いた。無理やり型にはめないせいか、自然すぎる田村家に、気がつけば目が離せなくなっていた。家族で見たいなと久々に思った作品だ。