ラブド・ワン:映画作品情報・あらすじ・評価|MOVIE WALKER PRESS 映画
ラブド・ワン
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ラブド・ワン

1967年4月29日公開
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イブリン・ウォーの同名の小説を、「博士の異常な愛情」のテリー・サザーンと、イギリスの小説家・劇作家のクリストファー・イシャーウッドが共同で脚色し、フィルム・ウェイズ社のリーダー、マーティン・ランソホフが、トニー・リチャードソンにすべてをまかせ、自由に作らせたという作品。撮影は「アメリカ アメリカ」のハスケル・ウェクスラー、音楽は「トム・ジョーンズの華麗な冒険」のジョン・アディソンが担当した。出演は「南極ピンク作戦」にでていたブロードウェイの俳優ロバート・モース、「おかしな、おかしな、おかしな世界」のジョナサン・ウィンタース、「ドクトル・ジバゴ」のロッド・スタイガー、舞台出身で、「南極ピンク作戦」のアンジャネット・カマーほか。製作は「シンシナティキッド」のジョン・コーリーと、撮影担当のハスケル・ウェクスラー。

ストーリー

イギリスの若い詩人デニス(ロバート・モース)は、ロンドン空港で、1000万人目の見送人ということで切符をもらい、ぶらりとハリウッドにやって来た。彼は撮影所で働く伯父フランシスの紹介で、彼の友人ハリーが経営する、動物墓地で働くことになった。ハリーは撮影所をクビになった男で、彼の兄で牧師でありながら公園墓地を経営するウィルバー(ジョナサン・ウィンタース)に動物墓地経営をまかされていたのだ。数日後、フランシスもまた、撮影所をクビになり、自宅の庭で首をくくって死んでしまった。彼の葬儀をとり行うため、公園墓地を訪れたデニスは、そこで死体化粧助手として働くエイミー(アンジャネット・カマー)に会った。彼女は死と芸術に満ち満ちている、この公園墓地を心から愛し、一流の死体化粧師になることを夢みていた。彼女と話しているうちに彼女を好きになったデニスは求愛した。けれど彼女は、死体化粧師のジョイボーイ(ロッド・スタイガー)からも求愛されており、考えあぐねて、新聞社の身の上相談係に助言を求めた。数日後、ジョイボーイの家に招かれた彼女は、彼の母親をみて幻滅を感じた。というのは、母親はテレビの食品コマーシャルを見ては、それらを全部実際に食べるというほどの大食漢で全身が胃袋のような女性だった。ある日公園に、宇宙ロケットを設計する天才少年ガンサーが現われた。経営者のウィルバーは、この少年を利用して、死体をロケットに乗せて、天国に打ち上げ、そのあいた場所を老人隠居村にするというアイディアを思いついた。これをきいてショックを受けたのはエイミーである。ウィルバーを心から尊敬している彼女は、神聖なるべき場所を商売に利用するのが許せなかった。そのうえ、詩人デニスが自分に贈ってくれた詩が、キーツやシェリーの詩から失敬したものだと知り、ショックはいや増した。そこで、またまた身の上相談に投書したが返事は無責任なものばかり。彼女は自殺してしまった。一方、ウィルバーの死体打ちあげ計画は実行に移され、第1号が発射される時、デニスとジョイボーイは、エイミーの死体と入れかえた。こうして彼女の死体を乗せたロケットは、天上高く消えていった。その行方を、デニスはじっと見守っていた。

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作品データ

原題
The Loved One
製作年
1965年
製作国
アメリカ
配給
MGM映画
初公開日
1967年4月29日
製作会社
フィルム・ウェイズ


[c]キネマ旬報社