ついに地上波初放送!実写版『キングダム』が原作ファンにも刺さったポイントとは?
昨年春に劇場公開されると2019年の実写邦画第1位となる興行収入57.3億円を記録し、続編制作の決定も発表された『キングダム』(19)。本日5月29日の「金曜ロードSHOW!」での地上波初放送を前に、原作ファンまでも虜にした本作の魅力をチェックしたい!
「週刊ヤングジャンプ」で現在も連載中、原泰久による累計発行部数4000万部超の人気を誇るコミックを実写化した『キングダム』。戦乱が続く春夏秋冬時代の秦国を舞台に、中華統一という壮大な夢を持つ少年たちの戦いが描かれる。
大人気コミックの実写化とあって、作品への思い入れが強い熱いファンも多く、公開前から大きな話題となっていた本作。原作マンガの人気が高ければ高いほど注目されがちなのが、キャラクターの再現度だ。キャラクターとキャストの相性は重要な要素となり、ある種のハードルにもなり得るが、『キングダム』についてはどうだったのだろうか。
主人公の信を演じたのは、これまでも人気マンガの実写化作品で主演を務めてきた山崎賢人。学もなく貧しい戦争孤児でありながら剣術を武器に“天下の大将軍”を目指す無邪気な青年の信役を、山崎が持ち前のチャーミングさと力強い眼差し、堂々たる立ち回りで魅せる。公開前は「信が山崎賢人だと男前すぎるのでは?」とSNSを中心にざわついていた時期もあったものの、奴隷からはい上がっていく泥臭さも体現。身売り先の農家で出会う漂(吉沢亮)と剣の腕を競い合い成長していく様子や、やがて漂に瓜二つの秦国王・嬴政(エイセイ、吉沢亮/二役)と絆を深めていくなかで、自身の向上心を高めていく姿には胸が熱くなる。
吉沢亮扮する漂と嬴政は、信と共に物語の軸となる人物だ。剣術を究めれば奴隷でも成り上がれることを信に教えた漂は、容姿が嬴政によく似ていることから、彼の影武者として王宮で暮らすことに。しかし漂は敵陣に囲まれた嬴政軍のおとりとなって深手を負い、最後の力を振り絞って信と嬴政とを引き合わせる。美しい容姿の吉沢は、この二役を柔らかな微笑みと凛とした表情で巧みに演じ分ける。信にとって漂は心の支えであり、嬴政は身分を超えた固い絆を持った同志となる。それぞれの表情や仕草がとにかく魅力的で、一目見ればどちらを演じているかわかる吉沢の演技には「完璧すぎる!」など絶賛の声が多数上がった。
主人公と相棒というメインキャラクターのみならず、彼らを取り巻く人物にも圧巻の見せ場が用意されているのもうれしいところ。山の民を武力でまとめる女王の楊端和を演じたのは長澤まさみ。清楚系からコミカルな役どころまで近年では様々なキャラクターをこなしている彼女だが、本格的なアクションは今回が初挑戦で、感情を抑えたクールさもなんとも新鮮。ミステリアスなオーラをまといながら敵を両刀使いでバッタバッタとなぎ倒す姿は、ほれぼれしてしまうほどだ。腕っぷしや知恵で男たちを束ね上げる楊端和のカリスマ性を体現した長澤には「剣さばきがカッコいい!」「あんな上司がほしい…」など称賛の声がSNS上でも飛び交っていた。
原作でマスコットキャラクター的な存在だった河了貂を演じたのは橋本環奈。信と嬴政が道中で出会うチャーミングな少女だが、か弱いビジュアルながら敵に一矢報いる一幕もあるので要注目だ。そのほか信と対峙することになる成蟜を演じた本郷奏多や、少年時代の信が憧れる将軍、王騎役の大沢たかおなど、演技派キャストが一癖も二癖もある人物を熱演。表情の機微や体型を近づけるなどして魅せる彼らの忠実さには舌を巻くほど。時に残酷で、観ているこちらに無力さを突きつけるような圧倒的なアクションシーンにも多くの人が魅了されることだろう。
原作に忠実なキャラクターが躍動のアクションで魅せてくれる本作では、左慈との戦いなど映画オリジナルのシーンも登場。中国ロケでの広大な戦闘シーンは、マンガでは描き切れない映画ならではの見せ場となっている。「金ロー」では本編ノーカットでの放送となっているので、壮大な物語を隅々まで堪能してほしい。
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