『バック・トゥ・ザ・フューチャー』マーティ&ドクの“35年後”は?キャストの現在を追う
「スポンジ・ボブ」にも出演のトーマス・F・ウィルソン<ビフ・タネン役>
マーティやドクと並ぶ重要キャラクターとも言える悪役のビフ・タネン。トーマス・F・ウィルソンがシリーズ三作で、ビフはもちろん、その先祖や子孫を演じている。ウィルソンもまた、この悪役を乱暴者で卑怯、頭も悪いが、どこかユーモラスなキャラクターとして体現して一躍有名となった。本作以降はテレビ出演が多く、「コールドケース 迷宮事件簿」や「BONES ボーンズ -骨は語る-」といった人気ドラマにも登場しているほか、「スポンジ・ボブ」などのアニメで声優としても活躍。余談だが、ビフのキャラクターについては、当時のドナルド・トランプをモデルにしたとされている。(『~PART2』にはトランプ・タワー?によく似たビルも…)
娘も女優になったリー・トンプソン<ロレイン・ベインズ・マクフライ役>
マーティの母親ロレインは、実はフォックスと同年(1961年)生まれのリー・トンプソンが演じていた。日本公開作品は多くはないが、現在まで数多くの映画やドラマに出演している。1995~2000年にかけては主演のシットコム「キャロライン in N.Y.」が放送された。私生活では出演作『恋しくて』(87)の監督ハワード・ドゥイッチと結婚。娘が二人おり、そのうちの一人は『ゾンビランド:ダブルタップ』(19)でマディソンを演じたゾーイ・ドゥイッチだ。
監督やプロデューサーと揉めた!? クリスピン・グローヴァー<ジョージ・マクフライ役>
マーティの父親でビフにいじめられている姿が痛々しいジョージ。彼を演じていたのは『ギルバート・グレイプ』(93)などに出演するクリスピン・グローヴァーだ。2作目への出演は断っていたのだが、ゼメキス監督とプロデューサーのボブ・ゲイルが、グローヴァーに黙って1作目の映像などを宣伝に使用。さらに、別の俳優を彼に似せた特殊メイクで出演させたため、自身の肖像が侵害されたと訴訟を起こしている。のちにゼメキスとは和解し、彼の監督作『ベオウルフ 呪われし勇者』(07)にも出演している。
1作目以降は役を降板したクラウディア・ウェルズ<ジェニファー・パーカー役>
マーティの恋人ジェニファー・パーカーを演じたクラウディア・ウェルズは、2作目以降は役を降板している(エリザベス・シューに交代)。これは撮影中に彼女の母親がガンと診断されたため、母をサポートするための苦渋の決断だった。このため、『~PART2』の冒頭には、1作目のラストシーンが流れるのだが、ジェニファー役を交代して再撮影されている。1996年以降は女優業にも復帰し、前述のビデオゲームにも声優として参加した。
本日より、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」三部作が「金曜ロードSHOW!」で3週連続放送される。苦難を乗り越えてきた人、独自の道を進む人、トラブルを抱えた人など、そのキャリアは様々。出演者のその後の背景を知ったうえで本作を鑑賞すれば、感慨もひとしおだろう。
文/トライワークス
発売中
価格:Blu-ray 1,886 円+税、DVD 1,429 円+税
発売・販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント