生誕80周年!4Kで蘇る、永遠のカンフーヒーロー、ブルース・リーの名作に酔いしれる
世界的に成功したアジア系最初のアクションスターとも言え、誰もがその名を知るブルース・リー。32歳という若すぎる死の後も、長らく愛され、崇め続けてきた彼の生誕80周年を記念した「ブルース・リー 4Kリマスター復活祭2020」が、7月3日より開催中だ。
この特集では、リーが香港凱旋後に主演した『ドラゴン危機一発』(71)、『ドラゴン怒りの鉄拳』『ドラゴンへの道』(ともに72)、そして死から5年後 に完成した『死亡遊戯』(78)のゴールデン・ハーベスト作品4本を上映。4Kリマスターの最高映像でスクリーンに蘇るので改めて、その見どころを振り返っていきたい。
女性にめっぽう弱い?軟派なリーが新鮮な『ドラゴン危機一発』
リーがアメリカ凱旋後に主演したゴールデン・ハーベスト社の一連のカンフー映画の1作目となる『ドラゴン危機一発』。青年チェンは、親戚を頼りにタイの製氷工場に働きにきたが、ともに働く仲間が1人、また1人姿を消していく。実は工場は麻薬の密売に手を染め、秘密を知った仲間たちは次々に殺されていたのだ。そのことに怒ったチェンは、「ケンカはしない」という母との誓いを破り、極悪な組織に一人で戦いを挑むことに…。
この作品の見どころは、リー演じるチェンが女の子に一目惚れしてソワソワしたり、飲み会で酩酊して女性に抱きつこうとしたり、とやけにヘラヘラした硬派なリーのイメージとはかけ離れた一面。そんな軟派な姿があるからこそ一転しての怒りの大制裁は振り幅が大きく、超クールなものになっている。ちなみに今回の4K版は音声が日本初公開時復元英語版となっており、マイク・レメディオス主題歌入りという点にも注目したい。
トレードマークの怪鳥音&ヌンチャクが炸裂しまくる『ドラゴン怒りの鉄拳』
のちに、リーが演じた主人公・陳真を扱った様々な作品が作られるほど、カンフーヒーローとして強い印象を与えたのが『ドラゴン怒りの鉄拳』だ。租界が置かれた清末期の上海を舞台にした本作。師匠の急死を知り、中国拳法の道場「精武館」に帰って来た陳真は、その死がライバル道場の日本人の手によるものだと知り、一人、復讐を決意し道場へ乗り込んでいく。
この抗日英雄談では、仲間への迷惑もお構い無しに、怒りに身を任せて暴走し、無双していくリーの姿がとにかく爽快。彼のトレード・マークともなった“アチョー”という怪鳥音と華麗なヌンチャクさばきが、ふんだんに登場する作品でもあり、そのキレキレっぷりも最高だ。また今回の上映は、日本初公開時英語版音声。こちらでもマイク・レメディオスの主題歌が楽しめる。