生誕80周年!4Kで蘇る、永遠のカンフーヒーロー、ブルース・リーの名作に酔いしれる
盟友チャック・ノリスとの激闘がアツい!『ドラゴンへの道』
リーが主演のほか初となる監督、脚本、製作、音楽監修、武術指導という6役をこなしたのが『ドラゴンへの道』。本作は、マフィアに立ち退きを迫られるローマの中華料理店に、カンフーの達人タン・ロン(リー)がやってくるが、マフィアもアメリカから最強の武道家を呼び寄せ、抗争は激化していくというストーリーが語られていく。
ローマロケなど見どころの多い本作で、注目は、リーこだわりのキャスティング。もともと武道家同士の交流があり、リーが『サイレンサー/破壊部隊』(68)のアクション指導を務めた際に出演を取り持ったというチャック・ノリスを、本作ではアメリカからの武術家役で起用している。そんな二人がコロッセオで相見えるクライマックスは、今も映画史上最高の格闘技アクションとして語り草となるほど。なお今回の上映は、マイク・レメディオスの主題歌入り、日本初公開時の英語版となっている。
なにからなにまでインパクト抜群な遺作『死亡遊戯』
そして遺作『死亡遊戯』は、『燃えよドラゴン』(73)により撮影が中断された上、リーの急死により未完となっていたが、ユン・ワーやユン・ピョウらを代役に立てることによって作り上げられた1作だ。世界的アクションスターのビリー(リー)は、国際的犯罪シンジケート終身契約を迫られるが、様々な脅しにも屈せず拒否。するとあの手この手で命を狙われ、ついに、映画の撮影中に銃弾を浴び命を落としてしまう。しかし、それは表向きで、シンジケートを壊滅させるためビリーはひとり戦いを挑んでいく。
各階に猛者が待ち受ける塔を一人一人倒し上っていくというゲーム的な展開や、リーがハリウッド時代に拳法を教えていたというNBA選手カリーム・アブドゥル=ジャバー演じるハキムとの、大人と子どもかというほどの身長差で繰り広げられる死闘、『キル・ビル』(03)でもオマージュされている黄色のトラックスーツ、差し込まれた過去作の映像など、とにかく脳裏に焼きつく要素がてんこ盛り。また日本初公開時英語版音声での上映となり、ブルース・リーの怪鳥音も聞き逃せない!
世界最強と言われた日本初公開時の英語版を極力再現すべく、最良の音声を厳選し、アタッチしてDCP化した世界初・日本限定バージョンが楽しめる今回の特集。熱心なファンはもちろん、まだ未見という若い世代も、ぜひスクリーンで躍動する彼の姿をチェックして、その魅力に取りつかれてほしい!
文/トライワークス