のんと林遣都が初共演!綿矢りさのロマンス『私をくいとめて』が実写映画化
<キャスト&スタッフ コメント>
●のん(みつ子役)
「(林遣都との初共演について)肌が白くてうらやましかったです。うらやましすぎて、いつも以上に念入りにお肌のお手入れをしてました。林さんの役に対するアプローチも、とても魅力的だったので負けられない、と気合が入りました。あと、林さん直々に並んで買ってきてくださったおすすめのクッキーサンドを現場で配っていらっしゃって、すごく優しい方なんだなと思いました。クッキーサンド、おいしかったです。
(脚本を読んで)おもしろかった。楽しいセリフがたくさんで、シリアスなシーンでも皮肉なユーモアがにじんでいて、どうやって解釈しようか…とうれしくてニヤニヤしながら読みました。一番胸を打たれたのは、この作品のテーマであり、みつ子が大切にしているおひとりさま。おひとりさまって、一つの生き方としてけっこう普通になってきている気がします。脳内に相談役として”A”の存在を作りだすことも、楽しく生きていけるならありだなって思える。世の中の幸せは多様化している、そんな風に感じました。触れられない相手と触れられる相手の間でどう揺れ動いていくか、演じていてとても楽しかったです。考えすぎて自分で行き詰まっていく不器用なみつ子が、とても愛おしい。早くみなさんに観ていただきたいです」
●林遣都(多田くん役)
「(のんとの初共演について)お芝居をしてる時と普段のギャップが大きい方という印象でした。人との距離の縮め方がきっと自分に近く、短い撮影期間ではあまりお話することはできませんでしたが、お芝居をしている時は常に役を通してお互いの心を探り合い、心地良い会話をさせていただけたと思ってます。よーいスタートで目の色が変わり、極めて繊細な表情で相手を引き込む力がある方で、お芝居のなかで驚かされた瞬間がたくさんありました。ご一緒できて楽しかったです。
(脚本を読んで)綿矢りささん、大九監督お二人の世界観を演じることを楽しみにしていました。不器用な人間同士のピュアな心の模様を大九さんがどのような演出でつなげていくのか。あまり特徴が多いとは言えない自分の役どころにどのような膨らみが生まれるのか、楽しみな要素がたくさんありました。大九監督の人間の弱い部分に寄り添った心理描写、苦しいシーンもどこか温かく微笑ましい空間に変えてしまう演出をもっと味わいたいと思いながら気付いたら撮影を終えていました。完成を心待ちにしています」
●大九明子(監督・脚本)
「(「私をくいとめて」映画化の経緯)読んでみてびっくり。主人公がもうしっかりと脳内で会話してるじゃないですか!”A”とか名付けちゃって!「私をくいとめて」は、綿矢文学の醍醐味である切れ味のいい言葉たちの間を、様々な色が漂い、ある時はスパークする。色にあふれた読書体験を終えた時には、この色と言葉をどう映像で描こうか、と考え始めていました。私、これ撮らなくちゃ。とすぐシナリオにして、プロデューサーに売り込んだしだいです。
(ふたりの芝居の印象)のんさんは怒りの表現が見事で、あんなに柔らかい空気を漂わせていながら、内側に高温のマグマみたいなものを持ってる人だと思います。のんさんはいっぱい質問してくれます。その対話のなかでこの映画の核を再確認できたように思います。林遣都さんは以前からご一緒してみたかった方です。振り幅が素晴らしく、少し話すと芝居がどんどん変わるので、とても楽しかったです。急に変なことお願いしてもすぐに『はい』と言ってやって下さってすてき」
●綿矢りさ(原作)
「映画化のお話を伺った時は、大九監督の魔法によって、どれだけキャラクターが生き生きとよみがえるんだろう、とまず最初に思いました。以前に自著を映画化していただいた時、主人公だけでなく、物語上のすべてのキャラクターたちが、ほんとうに実在するようにリアルで、それでいてコミカルに描かれていたのが、驚いて忘れられなかったからです。
本作は想像力のたくましい女性が主人公の話で、彼女はたくさんの人とかかわることを無意識に恐れています。映画化の台本を読むと、彼女の実は色鮮やかな内面が、イイ味出してる周囲の人たちとのふれあいにより、より濃く輝いてるなと感じました。現実ではさりげなく過ぎていくけど、実は心は激しく動いている。こんな場面を、のんさんと林遣都さんという、最高の方々に演じていただけると思うと、もう喜びを隠せません。お二方の過去の出演作品を見ながら『こんなすてきな方々が、あのけっこう地味な、いやかなり地味な、みつ子さんと多田くんになるなんて』と信じられない気持ちでいます」
文/トライワークス