デンゼル・ワシントンの凄みは圧巻…“イコライザー”はヘビー&ダーティな仕事請負人!
表の顔は、穏やかで慎ましい日々を送っている小市民。しかしその素顔は、法で裁けない社会の悪を地獄へと送りだす死刑執行人だった!2度のオスカーに輝くハリウッドを代表する演技派俳優デンゼル・ワシントン。彼がそのキャリアの中でも群を抜くヘビー&ダーティな“仕事請負人”を演じた衝撃作が『イコライザー』(14)、『イコライザー2』(18)だ。そんな一作目『イコライザー』が、本日21時より「BSフジ4Kシアター」で放送される。
デンゼル演じる主人公は、大都市ボストンの片隅で暮らす善良な市民ロバート・マッコール。かつてCIAのスゴ腕エージェントだった彼は、愛する妻の死を機に殉職を装い人生をリセット。どこにでもいそうな平凡な男として社会にとけ込むいっぽうで、弱者を食い物にする悪党どもに鉄槌を下す自警活動を開始する。
原作は85年放映のアメリカのTVドラマ「ザ・シークレット・ハンター」(原題:The Equalizer)。基本設定はそのまま映画に引き継がれている。ドラマ版では“イコライザー”はマッコールのコードネームだったが、映画ではとくに触れられない。イコライズは均一化の意味なので、社会を平穏に保つ調整役といったところか。なおアメリカCBS放送は、女性を主人公にしたリブート版の製作をアナウンスしている。
シリーズ第1作『イコライザー』で、マッコールはホームセンターで働く中堅社員として登場する。いきつけのカフェで未成年の売春婦テリーと出合ったマッコールは、彼女を無理矢理働かせるロシアン・マフィアにひとり戦いを挑んでいく。
本作で圧倒されるのがその強さ。わずか19秒で5人のマフィアを始末する序盤から、マッコールは驚異的スピードと精度で黙々と仕事こなしていく。銃やナイフを手にした敵に、グラスやワインオープナー、本などその場にあるものだけで挑む戦術もユニーク。クラマックスでは職場(ホームセンター)の売り物を使い、武装集団を血祭りにする壮絶な見せ場を生みだした。
ただしマッコールはただの殺人マシンではない。標的を前に、まずは心あらためるよう丁寧に相手を諭す律儀さも持っている。もっとも悪党どもは一見人畜無害なマッコールを鼻で笑い、その19秒後に血の海で息絶えることになるのだが……。ちなみにマッコール愛用の腕時計は、SUUNTO COREのアウトドアウォッチAll Black。ストップウォッチをスタートし“仕事”に取りかかる一連の流れは、彼のルーチンといってよい。
本作を監督したのが、デンゼルがアカデミー賞主演男優賞を獲得した『トレーニング デイ』(01)のアントワン・フークア。ハードなアクション描写と、深い人物造形を得意とする社会派エンタテインメントの担い手だ。本シリーズ2作のほか、『荒野の七人』(61)のリメイク『マグニフィセント・セブン』(16)でもデンゼルと組んだ盟友で、シリアスと優しさとユーモアが絶妙にブレンドされたマッコールには、デンゼルの魅力が存分に生かされている。
CMやMV出身のフークアは、凝った画作りでも知られる映像派のひとり。本作でも、“仕事”に取りかかる直前にマッコールが瞬時に状況――敵の人数、自分との距離、どこに何が置かれ、どう動くのが効率的かなど――を読み取る超クローズアップ映像をはじめ、流れるようなカメラワークや幻想的な照明、緩急を付けた編集を駆使した様式的な映像も見どころだ。
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発売・販売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
■『イコライザー2』
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