北村匠海、赤楚衛二が振り返る学生時代。「選ばなかった道と、選んだ夢」
実写映画化もされた「アオハライド」や「ストロボ・エッジ」などで、世代を超えた人気を誇る咲坂伊緒の少女マンガを実写映画化した『思い、思われ、ふり、ふられ』(公開中)。通称『ふりふら』と呼ばれる本作は、個性の異なる高校生男女4人のすれ違う“片想い”を軸に、恋、友情、家庭環境、進路など、現代の高校生が直面する様々な出来事を通して、互いに成長していく姿を描いた青春ストーリーだ。
本作で初共演をはたした理央役の北村匠海と和臣役の赤楚衛二が、役への想いや高校時代の思い出、撮影時のエピソードなどを語ってくれた。
明るく社交的な朱里(浜辺美波)、内向的でうつむきがちな由奈(福本莉子)、クールなモテ男子の理央(北村)、さわやかで天然な和臣(赤楚)の4人は同じマンションに住み、同じ学校に通う高校生だ。親同士の再婚で「家族」になってしまったため、朱里に言えない恋心を抱えたままの理央。そんな理央に憧れながらも、自分に自信が持てない由奈。和臣に惹かれていく自分の感情にとまどう朱里。ある秘密を目撃してしまい、自分の気持ちにフタをしてしまう和臣。相手を大切に思えば思うほど、すれ違ってしまう4人のせつなすぎる片思いのゆくえは――。
「理央の苦しい気持ちはすごく理解できる」(北村)
――撮影に入るにあたって、原作コミックは読まれましたか?
北村「はい。マンガの映画化って、原作ファンがたくさんいるからハードルがなかなか高いんですよ。咲坂先生のマンガは本当に人気なので。僕はマンガに引っぱられすぎないように、まず台本を読んだあと、エッセンスをどう取り入れるかを考えるために原作を読みました。でも、とにかくおもしろくて(笑)。純粋に楽しく読みましたね」
赤楚「僕は出演が決まったあとに読ませていただいて。少女マンガを読んだことはあまりなかったんですけど、僕もハマっちゃいました。最初は和臣を研究しようと思って読み始めたのに、普通にイチ読者として、女性キャラクターの目線で読んじゃったくらい。恋愛中心のストーリーなのかと思いきや、登場人物それぞれの家庭の事情とか悩みも描かれていて。すごく読みごたえのあるマンガだなあという印象を受けました。だから、撮影に入る前はかなりプレッシャーでした」
――お2人は本作が初共演ですが、お互いの印象について教えてください。
北村「赤楚さんとは台本読みの時に初めて会ったんですが、すごく真っすぐ生きてきた人なんだろうなと思いました。言葉の紡ぎ方や会話の間から、毎日ハッピーにだけじゃなくて、きっとどこか不器用で、それでも真っすぐな人なんだろうなと感じました。『ふりふら』という作品で出会ったからというのもあるかもしれないけど」
赤楚「最初の印象は、目の奥に温かみのある、どっしりとした人。例えて言うと、ライアン・ゴズリングみたいな。かつ博識で、いろんな豆知識を教えてくれるから、甘えちゃった部分が多々あったかも(笑)。和臣の部屋には映画のDVDがたくさん置いてあったんですが、『どういう映画が好き?』っていう話になった時、北村さんが『これ観た、これも観た』と言っていたんですが、僕は観たことがない作品ばかりで」
北村「和臣の部屋にはマニアックな作品がたくさんあったから、興奮していました(笑)」
――理央と和臣、自分との共通点を挙げるとしたら?
北村「朱里に対して想いを伝えられないという、理央の苦しい気持ちはすごく理解できました。伝えられないから、なにも始まらないし、終えることもできない。前に進めなくて、自分の中だけで悶々としているっていう。あの感情は、恋愛って言うわけではないけど僕も抱いたことがあるだけに、演じながら、ここはもっと素直になればいいのに…と思ったりもしました」
赤楚「和臣は学生時代の自分にすごく似ているなって思っていて。当時、すでに芸能活動はしていたんですけど、なかなかお芝居をするチャンスがなくて、両親に『おまえ、仕事はどうするんだ?』みたいなことを聞かれたりして。半ばあきらめかけていた時、最後にオーディションで東京へ行けたんです。そのご縁がなかったら、なかなか一歩を踏み出せない和臣とまったく同じだったんだろうなと思います 」