北村匠海、赤楚衛二が振り返る学生時代。「選ばなかった道と、選んだ夢」

インタビュー

北村匠海、赤楚衛二が振り返る学生時代。「選ばなかった道と、選んだ夢」

「僕は和臣と違って、気持ちをすぐに伝えちゃうタイプ」(赤楚)

赤楚は、役を通して「新しい発見がありました」と語る
赤楚は、役を通して「新しい発見がありました」と語る[c] 2020「思い、思われ、ふり、ふられ」製作委員会 [c] 咲坂伊緒/集英社

――片思いをしている理央と和臣の恋愛を見ていて、どう思いますか?

北村「気持ちを伝えるって、やっぱりすごく大変なこと。自分が傷つくかもしれないし、相手を傷つけることもあるかもしれないし。でも、この役柄を通して、素直になってみないとなにも始まらないなって思いました。良い関係性を築くって、相手に変に気をつかわず、お互いになんでも言い合えているんですよね、きっと。気持ちを素直に出せるって、すごく素敵だなって思う。だから『ふりふら』の4人が最後、自分の想いを相手にちゃんと伝えて、前に進んでいく姿に僕も勇気をもらいました」

赤楚「僕はどっちかというと、すぐに伝えちゃうタイプの人間なんです。想いを伝えられない苦しさ、ぐちゃぐちゃした感情っていうのは、これまでの人生で経験したことがなかったので。今回の和臣役を通して、あ、こういう苦しい恋愛もあるんだ…という新しい発見がありました」

――素敵なシーンがたくさんありましたが、男子目線でドキッとしたシーンは?

北村「僕は“由奈派”なんですよ(笑)」

赤楚「…俺も」

北村「そこは朱里って言わないと!(笑)。理央と由奈が図書室にいて、由奈が涙を流すシーンはすごく好きでしたね。僕も高校時代に、ああやって図書室で好きな子と2人っきりで過ごしたかったなあと思って。僕、小学校、中学校、高校と図書室に入りびたっていたタイプなんです。出演作でも図書室にいることが多くて。『君の膵臓をたべたい』も図書室のシーンが多かったですし」

赤楚「ああ、確かに。じゃあ、図書室自体にすごく思い出があるんだ」

北村「うん、赤楚さんはどうですか?」

赤楚「僕の好きなシーンは、和臣と朱里が公園で鬼ごっこをするところ。ああいうの、やってなかったなあと思って。あのピュアな感じは、いまでも憧れる」

北村「17、18歳ってあれくらい無邪気でいいんだよね。僕自身は、めっちゃ大人ぶっていたので」

赤楚「そうなの?純粋に大人だっただけじゃない?」

北村「確かに考え方はいまとあんまり変わっていないけど、当時は同級生の男子を見て『フッ、子どもだな』って…スレてましたね(笑)。だから、映画の中の4人の純粋さは素敵だなと思います」

王子様ファッションの話題に北村は赤面…
王子様ファッションの話題に北村は赤面…[c] 2020「思い、思われ、ふり、ふられ」製作委員会 [c] 咲坂伊緒/集英社

――お互いを「かっこいい!」と思ったシーンは?

赤楚「北村さんは、文化祭での王子様の恰好が似合ってたね」

北村「恥ずかしかったよ。すっごい恥ずかしかったよ…」

赤楚「でも、本当に似合っていたから、なんで恥ずかしいんだろうって思ってたよ!」

北村「これには流れがあって…。以前、『君は月夜に光り輝く』という映画の劇中劇で、『ロミオとジュリエット』のジュリエットの格好をしたんですよ。今回の映画はその時と同じプロデューサーさんだったんですけど、思わず『今度は王子様のコスプレですか!?』って、言っちゃいましたね。制服姿でいられる和臣がうらやましかった。あと、僕も写真を撮るから、和臣が学校の屋上で朱里の写真を撮るシーンが好きだった」

赤楚「あのシーンが?よかった!」

北村「カメラっていうフィルターを通せば、彼女のことを真っすぐ見ることができる、というのがせつないし、すごくいいなあと思いました」

――撮影の合間には、キャスト4人でどんな話をしていたんですか?

北村「シーン的に4人一緒になることが少なかったんですよね。だから、赤楚さんと浜辺美波ちゃんが、どんな話をしていたのか気になる(笑)」

赤楚「胃下垂はどうしたら治るのか?っていうテーマを真剣に話し合ってた(笑)。俺は『腹筋でしか治らなかった』って言ったんだけど、美波ちゃんは“逆立ち派”で。『最近めちゃくちゃ腹筋してるけど、ぜんぜん治らない』って(笑)。福本莉子ちゃんとは?」

北村「音楽の話ばっかりしていた。莉子ちゃんはフェスの時に最前列に行くようなタイプ。僕が仲のいいバンドの“雨のパレード”が好きで、『MARCH』っていう曲のMVにも出ているって。意外とハートはロックな人でした(笑)」

赤楚「そうなの?ギャップあるねえ」

「高校生の頃は、クラスみんな友達!っていう感じだった」(赤楚)「ド陰キャだったけど、赤楚さんだったら心開けたかも」(北村)

ふとした会話からもバディ感が溢れる
ふとした会話からもバディ感が溢れる撮影/黒羽政士

――もし、お2人が高校のクラスメイトだったら、どんな関係性だったと思いますか?

北村「相当暗かったと思います。テストも早く終わらせて寝るし、休み時間もずっと寝てた。周りからは『怖い』って言われてた」

赤楚「本当に?」

北村「でも、ちょっとかわいらしさをアピールしようと思って、放課後、黒板に絵を描いたりして(笑)。高校3年間、DISH//のメンバーの矢部昌暉と、ずーっと2人で昼ごはんを食べてた。みんなハジけて楽しそうだったから、僕みたいな“ロー”な人間はついていけなくて(笑)。赤楚さんはどうだった?」

赤楚「高校生のころは、クラスメイトみんな友達!っていう感じでしたね。ヤンキーだろうが、どんな人だろうが、仲良くなってくれたなあ」

北村「なんか、そんな感じがすごくしました。僕は陰キャなほうだったので、赤楚さんくらい行動力があったほうが、心を開きやすいんです。来るものは拒まないタイプなので。でも、実際は誰も来なかったっていう(笑)」

関連作品