菅田将暉が語る、運命の“糸”。小松菜奈は「いい意味で不器用な人」
「小松菜奈さんは、いい意味で“不器用”な人なんじゃないかな」
記者が『溺れるナイフ』の公開時に取材した際に、菅田は小松の泣く演技について、テスト段階から全身全霊で入り込むという集中力に感心していたが、今回また共演してみて「全然、変わってなかったです」とやさしい笑みを浮かべる。
「没入感がえぐいんです。『溺れるナイフ』の時もそうでしたが、相変わらず入り込んでいたので、はたから見ていて、心配になりました。いい意味で“不器用”な人なんじゃないかなと。小松さんの演技はあまりにも真剣なので、こっちも真剣にさせられます。そういう人は、なかなかいません。最近は特にクレバーな人が多いし、どうしても、役者は経験値を重ねていくと、『こうやれば上手く泣ける』とつかめてしまうけど、小松さんはそうならない。だからおもしろいし、本当にすごいなと思います」。
本作で漣として、19歳から30歳までを演じた菅田は「年齢を表現するのが、難しかったです」と述懐。今回初めて30歳の役にトライした小松に、菅田は太鼓判を押す。
「中盤から、葵がすごく大人っぽいキャリアウーマンになるんですが、その姿を見た時、さすがだなと思いました。大人びた葵と漣の落差は、見ていて気持ちが良かったです。物語的な対比としても、もともと世界を目指したかったのに地元に留まった漣と、普通を望んでいたのに、海外へ飛びだしていった葵という逆転の構図がよく出ていて、バランスも良かったです」。
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